代表的な症状

アレルギー性鼻炎

 

 
アレルギー性鼻炎は、私たちの体がアレルギーの元(アレルゲンといいます)に反応して起こる「アレルギー性疾患」の一つの症状として現れます。一般的に、以下のような理由で発症します。
 
①花粉症
②部屋の環境(ハウスダスト、ダニなど)
③その他の原因によるアレルギー疾患
 
この中でも、ハウスダストやダニなどによるアレルギー性鼻炎は年間を通して発症します。最近では花粉症によるアレルギー性鼻炎の患者数が10年前と比べて10%以上増加しており、特に症状が強く出やすいスギ花粉症が問題となっています。
 

 
アレルギー性疾患に伴う症状は大きく分けて、アレルゲンに暴露されてからすぐに症状がでる「即時型」と、数時間から数日たって症状がでる「遅延型」の2種類があります。一般的にアレルギー性鼻炎とされるのは「即時型」ですので、こちらの症状に注意して下さい。
 
アレルギー性鼻炎の症状は、主に以下のようなものがあります。
 

  • 突然出始めて繰り返すくしゃみ
  • 水っぽい鼻水
  • 鼻づまり

 
これらの症状はアレルギー性鼻炎に特有な3つの症状です。それに加え、花粉症に伴うアレルギー性鼻炎であれば、目の痛みや頭痛なども起こることがあります。これらの症状は、アレルゲンそのものによって引き起こされる症状以外に、鼻づまりによる呼吸障害の結果として生じることもありますし、使用した薬剤の副作用であることも考えられますので区別が難しい点です。

 
アレルギー性鼻炎は前述したように、様々なアレルゲンに接触することによって起こります。これらのアレルゲンは鼻や口などの気道を通り、その際に鼻の粘膜で生じたアレルギー反応によりくしゃみを誘発したり、鼻水が出始めます。アレルギー反応が起こる部位が炎症によってむくみ始めると、鼻詰まりといった症状を自覚するようになります。

 
アレルギー性鼻炎だけで言うと軽症で済む場合が多いのですが、アレルギー性鼻炎を持っている方はほかのアトピー性疾患やアレルギー性疾患も合併する場合があり、注意が必要です。
 
特に注意を要するのは、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎をお持ちの方です。前述のようにハウスダストには室内の埃、アレルギーを起こすアレルゲン、ヒトやペットのフケ、ダニなどいろいろありますが、これらが体内に取り込まれることによって急激なアレルギー反応を起こすことがあります。
 
この急激なアレルギー反応で最も気を付けなければならないのは、「アナフィラキシーショック」です。よく、蜂に刺されてアナフィラキシーショックを起こした、というような話を聞きますが、蜂の毒だけに限らずどのアレルゲンでもアナフィラキシーショックを起こす可能性があります。これまでに、何らかの急激なアレルギー反応を起こしたことがある方は注意が必要です。

 
アレルギー性鼻炎だけに限った話ではないですが、アレルギー反応を起こす物質を身の回りから限りなく除去することが必要です。ハウスダストが原因なら頻繁に部屋を掃除し清潔に保つ、花粉が原因ならマスクやアイガードをかけるなどです。それだけで効果がない場合は。以下の4通りの治療を行います。
 
①アレルギー性鼻炎を発症しないようにする
アレルギー性鼻炎という病気がなぜ起こるのか、どのようにしたら予防できるのか、といったメカニズムに関して十分に理解しなければなりません。そのため、信頼できるかかりつけ医を見つけることがとても重要です。
 
②抗アレルギー薬
アレルギー反応を起こしてしまう体内物質を抑える効果のある薬です。
 
③アレルゲンの除去
ダニの繁殖しやすいカーペットやぬいぐるみを避けたり、定期的に掃除することが重要です。また花粉症によるアレルギー性鼻炎では、マスクやゴーグルをするなどの対策が必要です。
 
④手術治療
抗アレルギー薬やアレルゲン免疫療法などでも鼻炎が改善しない場合は、鼻粘膜の切除やレーザーで焼灼することもあります。

 
アレルギー性鼻炎だけであれば重症化することはないため心配はいりませんが、鼻水や鼻詰まりは集中力の低下にもつながりやすいため、勉学や仕事へ影響することがあります。
かかりつけ医で早めの診断、治療を受けることが重要です。