医療関係のみなさまへ
当院の主な検査機器のご紹介:CT
CTについて
CTは64列MDCTの2台体制
今当院のCTは、FUJIFILM『SCENARIA View Plus』(64列128Slice MDCT)とPhilips社製『Brilliance』(64列MDCT)を使用しており、撮影部位に応じて最適な条件で撮影が可能となっております。
CT検査とは?
コンピューター断層診断装置の事で、X線を利用して検査を行います。
体を透過するX線をコンピューター処理する事で、体の横断面と呼ばれる輪切りの画像を再構成します。
従来の装置と比較し、更に高い画質で高速撮影が可能となりました。
さらに低線量での検査が可能な為、被曝量を抑える事が可能であり受診者に優しい検査をご提供致します。
・IPV(画像再構成技術)
RawData(生データ)を使って画像を再構成します。
高いノイズ低減率で画像の質感を保ちます。画像ノイズを最大90%減少させ、被ばく量を最大83%削減し、低コントラストの検出能力を最大2倍に向上させます。
・Visual Model
以下の3つのモデルに基づいて画像ノイズや画質を制御します。
- 統計学的モデル:X線検出に由来するノイズや回路系ノイズを考慮して低減します。
- オブジェクトモデル:形態情報の変化をモデリングし、画像の構造を保持します。
- 物理学的モデル:高周波から低周波まで調整することで、FBP(Filtered BackProjection)に近い質感とノイズ低減を実現します。
・Cardio StillShot
冠動脈の撮影時に心拍や心臓の動きによる影響を最小限に抑え、心拍の高い場合でもブレの少ない画像を作成します。
・IntelliCenter
800mmの広い開口径と200mmの横への可動域を持ち、空間分解能を向上させます。
・Cardiac Bowtie Filter
冠動脈撮影時に線量を低減するフィルターを備えており、関心領域外の線量を減らします。
・CardioConductor
息止め練習時の心拍数と心電図波形から、自動的に最適な撮影条件と再構成条件を算出します。
・intelliEC Cardiac
心電図情報を利用してX線照射量を調整し、心臓静止相以外の心位相を低線量で撮影して被ばくを減らします。
・CardioHarmony
冠動脈撮影後に動きの少ない心位相を自動選択する機能です。
心電図情報と収集したデータを使って動きが最小となる心位相を選びます。
国内最高水準の64列MDCT装置を使用しております。常に拍動している心臓や広範囲にわたる部位を一度に撮影する事が出来ます。
・受診者にとって
X線管が最速0.42秒で一回転する特長を活かすことで、短時間で広範囲の撮影が可能です(時間分解能53msec)。呼吸を停止する事が困難な方や、広範囲の撮影が必要な場合、常に動いている心臓の撮影に威力を発揮します。
また撮影位置決め画像から検査に必要なX線量を計算し、実際の輪切り写真を撮影、更に曲面形状を呈したフィルターにより、被曝の多い軟X線を均一にカットし(IntelliBeam Filter)、最大70%の被曝低減が可能となりました。
・臨床面にとって
64列のMDCT装置は心血管造影撮影に効力を発揮します。不整脈や期外収縮が生じた際にも、この装置の計算方法(※Beat To Beat Delay Algorithm / Edit Function)により、追従して画像化する事が可能です。0.42秒/回転スキャンによるマルチサイクルリコンにより53msecの時間分解能を有しております。
検査可能項目
CTC(仮想大腸内視鏡検査)
検査の直前に鎮痙剤(ブスコパン・グルカゴン)を筋肉注射いたします。使用禁忌である緑内障や前立腺肥大症などの疾患をお持ちの方は注射を行えない場合があります。その後、CTの寝台に横になっていただき肛門から直径1cmのチューブを10cmほど挿入し固定いたします。そこからCO2(二酸化炭素)ガスを注入し大腸を膨らませていきます。大腸がまんべんなく膨らむように体位を変えていただきます。大腸の大きさは人によって異なるため入れるCO2ガスの量も変わってきます。検査時間は15分程度で終わります。撮影はより正確な診断を行うために、腹臥位・背臥位の2体位の撮影を行います。検査後は大腸内にCO2ガスが残り圧迫感があります。CO2ガスは空気の150倍体内への吸収が早いと言われ、10分程度で楽になります。
検査後、解析を行い大腸のMIP画像と3次元画像で大腸内視鏡のように走行する仮想内視鏡画像を作成致します。
CTC検査の利点として、大腸内視鏡では挿入が困難な方の検査も行うことが出来ます。
また腹部CTの撮影のため、大腸以外の臓器情報も確認することが出来ます。しかし、検査を行いながらの組織の採取を行うことが出来ません。生検のための大腸内視鏡を行う可能性があり、平坦な病変や5mm以下のポリープ様病変などの小さいものの抽出制度は大腸内視鏡の方が高精度と言われております。また、当院では肛門括約筋の衰えや穿孔の危険性も考慮して85歳以上の方の検査を控えさせて頂いております。患者様の容体・状況に合わせてご利用ください。
冠動脈CT
検査時に冠動脈をより描出しやすくするために、ニトロールとコアベータを使用することがあります。ニトロールは当院ではスプレー状を使用しており、少量吸入していただきます。使用により血管が太く見やすくなる効果がありますが、緑内障の方は眼の血管にまで作用してしまうため使用できません。また、コアベータは点滴中に入れることにより心拍を一時的に抑えることが出来ます。検査中の心拍がある程度低い値で安定している場合使用致しません。検査後、解析を行い心臓の立体的な3DVR画像とMIP画像、血管の狭窄や石灰化などを見るためのCPR画像を作成致します。
冠動脈CTはMRIと比べ、石灰化やプラークを描出することができ、より細かい部分の精度に優れています。また検査時間もMRIでは心拍が安定しない場合30分程度かかってしまうことがありますが、CTではおおむね20分程度で終了致します。胸部以外に体内金属がある方も検査を行うことが出来ます。しかし、造影剤を使用するため85歳以上の方は当院では造影によるリスクを考慮し、検査を控えさせて頂いております。MRIでは造影剤を使用せずに検査を行うことができ、また心筋梗塞疑いなど心筋の異常を確認したい場合にはMRI検査が優れています。患者様の容体・状況に合わせてご利用ください。
当院のSCENARIAにはX線補償フィルタが内蔵されており、心臓以外の被ばくを抑えることが出来ます。また、検査時の心拍に合わせて自動的にスキャン条件の設定を行っています。1回のスキャンで心臓の位相を複数撮影でき、より精度の高い画像を提供することが可能となっています。
脳動脈CT
主に脳動脈の狭窄・瘤を確認する検査になります。寝台に寝ていただき、最初に造影剤を流すルートの注射をさせていただきます。その後頭の位置・角度の調整を行い、動かないようにするために顎をバンドで固定致します。撮影は単純撮影と造影剤を流して血管が見やすくなった時相で造影撮影を行います。この2つの画像は同じ角度で行うため、頭部や体を動かさないようにお願い致します。撮影時間は単純撮影から造影終了まで5分程度で終了致します。
検査後、解析を行い脳動脈の立体的な3DVR画像とMIP画像を作成致します。脳動脈CTはMRIと比べ、石灰化やプラークを描出することができ、より細かい部分の精度に優れています。また検査時間もMRIと比べ、短時間で終了致します。脳動脈瘤のクリップや体内金属がある方も検査を行うことが出来ます。脳動脈クリップに関しては、付近にアーチファクトが出現しやすくなるため、画像にならない可能性があります。ご了承下さい。しかし、造影剤を使用するため85歳以上の方は当院では造影によるリスクを考慮し、検査を控えさせて頂いております。MRIでは造影剤を使用せずに検査を行うことができ、脳梗塞などの頭部実質の撮影も行うことが出来ます。患者様の容体・状況に合わせてご利用ください。
下肢血管CT
検査後、解析を行い下肢血管の立体的なMIP画像を作成致します。
検査は基本的に動脈と静脈のどちらかの撮影を行います。診療情報提供書にご記載お願い致します。
下肢血管CTはMRIと比べ、石灰化やプラークを描出することができ、より細かい部分の精度に優れています。また検査時間もMRIと比べ、短時間で終了致します。体内金属がある方も検査を行うことが出来ます。人工関節などに関しては、付近にアーチファクトが出現しやすくなるため、画像にならない可能性があります。ご了承下さい。造影剤を使用するため85歳以上の方は当院では造影によるリスクを考慮し、検査を控えさせて頂いております。MRIでは造影・非造影で検査を行うことができます。患者様の容体・状況に合わせてご利用ください。
整形分野
撮影範囲内を0.625mmの薄い厚さで画像再構成を行うことにより3D画像を作成することが出来ます。撮影の場所にもよりますが、検査時間は5分ほどで終わります。
検査後、解析を行い骨の立体的な3D画像を作成致します。処理に多少お時間がかかります。何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
整形分野のCTはMRIと比べ微小な骨折でも分かりやすく短時間で検査が行える反面、骨挫傷や靭帯の損傷に関しては不得意な領域となります。患者様の容体・状況に合わせてご利用ください。
インプラント
インプラントの術前撮影を行い、神経や副鼻腔までの位置・距離を表示致します。解析でご利用のメーカーがございましたら、メーカーごとの撮影に則って行わせていただき、特にない場合には解析作業まで行わせていただきます。解析にはフルマウスか予定位置のみか、ステントをつけて撮影を行うか、またメーカーによってはサージカルガイド作成のためにステンとのみの作成を行うこともあります。HPにも診療情報提供書がございますので、ご希望の解析方法をご記載お願い致します。
当院では主にノーベルバイオケアジャパン・マテリアライズデンタルジャパン(シムプラント)・ユニークス(旧IGS)・10DR・iCAT・日本メディカルマテリアル(JMM)・エールジャパンより撮影を行っています。他メーカーからの撮影も行わせていただきますのでご相談ください。
CTの症例
右肺中葉に25×50×23mm大の腫瘍認めます。胸膜陥入像や毛羽立ち像もみられます。肺がん(プライマリー)の所見です。右肺内にはびまん性に小結節多数見られます。胸水も見られます。縦隔リンパ節腫大像は見られません。
心血管の石灰化と狭窄
RCAには#1から#3まで多発性の石灰化と狭窄が認められます。ただし、MDCT上は石灰化部位の正確な狭窄率判定は困難とされています。LAD#6に粗大な石灰化と狭窄が残存しています。#7にかけて広範囲な狭窄が認められます。#8から末梢の血流は保たれています。#9に吻合するLITAの血流は良好です。LCXの狭窄は目立ちません。
鎖骨骨折
左鎖骨の中央部にらせん状の骨折線が認められます。骨皮質の遊離と断端の軽度の偏位を生じています。その他の領域に明らかな骨折は見られません。両側の肺尖部に胸膜肥厚が見られます。
下肢動脈評価
右)鼠径部・くるぶしに、浮腫・膿瘍は認められません。その他にも異常は認められません。
CT検査の弱点
CT検査は放射線を使用して検査を行う為、体内に金属がある場合はその部分がアーチファクトとして画像にならない事が多いです。また、MRI画像と比較すると、軟部組織のコントラストが低い事があります。また、血管を見たい場合は造影剤を使用する必要があります。
撮影ご依頼時の流れ
- 01 ご予約
- まずはお電話ください。
宇都宮セントラルクリニック検査室
直通電話 028-657-7303
- 02 情報共有
- 患者さまのお名前、電話番号、病名等の諸情報をお知らせください。
お打ち合わせの上、撮影日の決定をさせていただきます。
- 03 撮影
- 撮影日当日、患者さまにご来院いただき、撮影を行います。
保険証、紹介状を忘れずにお持ちください。
- 04 結果案内
- 当日のうちにCD-Rもしくは、フィルムをお渡しいたします。読影レポートは撮影翌日、または翌々日にFAXもしくは郵送いたします。CITRIXをご契約されている施設には、検査直後に画像がアップロードされます。読影レポートは検査翌日、または翌々日にアップロードされます。