医療関係のみなさまへ

アミロイドPET検査について

アルツハイマー病は記憶や思考に障害が生じますが、その原因とされているのが脳内へのアミロイドβ、タウ蛋白と呼ばれる異常タンパクの蓄積です。

アミロイドβは、アミロイドβ前駆体たんぱく質(APP)がたんぱく質分解酵素であるβセクレターゼ、γセクレターゼにより切断され細胞外へ分泌されます。アミロイドβは凝集性が高いためペプチドを形成し、大脳皮質に沈着して老人斑となります。
タウ蛋白は微小管を安定化させるタンパク質で神経細胞に存在します。タウ蛋白が過剰リン酸化されると線維化・凝集し神経原線維変化(NFT)と呼ばれる糸くずのような形で細胞内に蓄積します。

アミロイド仮説によると、アミロイドβの蓄積がタウ蛋白の過剰リン酸化を誘導し、神経原線維変化によって神経細胞が細胞死するため認知機能の低下が起きると考えられています。アミロイドPETではアミロイドβをターゲットとする放射性薬剤を投与することで、アルツハイマー病の原因とされているアミロイドβの蓄積を画像化することができます。

陽性例

陽性例

陰性例

陰性例

アルツハイマー病では他にFDG-PETやMRI(VSRAD)の検査が行われます。FDG-PETではブドウ糖に似た放射性薬剤を投与することで、脳の糖代謝を画像化し脳機能の低下を調べます。MRI(VSRAD)では脳の萎縮を評価します。
アミロイドPETでは上記の通り、原因とされるアミロイドβの蓄積を画像化することができます。

検査スケジュール

保険3割で約75,000円
保険1.2割で約20,000円
※アミロイド検査はレカネマブ/ドナネマブ治療対象の患者様が保険適応となります。詳細は下記保険適応をご覧ください。

以下の検査目的①~④で保険適応となります。

①レカネマブ/ドナネマブ製剤の初回投与の要否を判断する目的
 以下の項目にすべて該当している場合のみ保険で検査が可能となります。

アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、レカネマブ/ドナネマブ製剤の投与の要否を判断する目的でアミロイドβ病理を示唆する所見を確認する目的である。

レカネマブ/ドナネマブ(遺伝子組換え)製剤に係る最適使用推進ガイドラインに準拠した施設である。

脳脊髄液検査(CSF)を行っていない。

MMSE(ミニメンタルステート検査)スコアがレカネマブは22点以上、ドナネマブは20~28点である。

CDR(臨床的認知症尺度)スコアが0.5または1.0である。

②ドナネマブ投与12か月後、投与完了の要否を検討するため
③ドナネマブ投与18か月を超えて、投与継続することを検討するため
④レカネマブ/ドナネマブ投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開するため

※この検査が必要な医学的根拠が必要になります。

  • 予約はお電話で承っております。
    検査日を決定の上、診療情報提供書のFAXをお願します。

    TEL:028-657-7306(PETセンター直通)
    FAX:028-657-5250
  • アミヴィッド・ビザミルのご指定がある場合は予約時にお伝えください。
  • フォローアップ目的の場合は前回と薬剤を合わせますので、予約時に診療情報提供書に記載の検査目的番号をお伝えください。

アミロイド検査は放射性同位元素を使用して行う検査のため放射線被ばくがあります。1回の検査で約5mSv(シーベルト)の被ばく量になり、これにCT検査分の被ばく線量が加わります。この検査による急性の放射線障害の心配はありません。

① 検査の60分前までに来院をお願いします。
② 検査時間は約2時間です。
③ 食事制限・服薬制限はございません。
④ 検査当日は乳幼児との接触は控えて頂くようお願いいたします。
⑤ 万が一、機器トラブル等により薬剤の合成や撮影が困難な場合は日程変更をお願いする事があります。予めご了承下さい。
⑥ 予め撮影済みのMRI検査データがあれば当日ご持参下さい。診断の参考になります。

検査の流れ

宇都宮セントラルクリニックではPET撮像施設認証を取得しております。

PET撮像施設認証
PET撮像施設認証

撮影ご依頼時の流れ

01 ご予約
まずはお電話ください。
宇都宮セントラルクリニックPETセンター
直通電話 028-657-7306
02 情報共有
患者さまのお名前、電話番号、病名等の諸情報をお知らせください。
お打ち合わせの上、撮影日の決定をさせていただきます。
03 撮影
撮影日当日、患者さまにご来院いただき、撮影を行います。
保険証、紹介状を忘れずにお持ちください。
04 結果案内
撮影後一週間以内に、読影レポートと画像CD(DICOM-VIEWER付属)を郵送にてお返し致します。
※Word形式をInternetExplorerまたはMicrosoft Edgeで開くと上手く表示出来ない場合があります。
Word形式を使用する場合はChromeかFirefoxでご利用下さい。
検査前の問診票になります。
予め記載して来院していただければ当日の受付案内がスムーズになりますので是非ご活用下さい。