医療関係のみなさまへ
当院の主な検査機器のご紹介:11C-メチオニン
11C-メチオニン検査について
11C-メチオニン(Methionine)検査は、11C標識アミノ酸をトレーサーとして用いた検査の1つです。必須アミノ酸の一つであるL-Methionineは正常細胞から変化したがん細胞の代謝における中心的な役割をはたしており、悪性細胞において取り込まれる事(アミノ酸トランスポーターによる脳血流関門の通過やメチル基転移反応、蛋白合成の増加を反映)を利用しています。神経膠腫のような脳腫瘍の検査に有用性が高く、放射線治療による炎症との判別には特に有効な検査になります。
18F-FDG検査との違い
18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)はグルコースの類似物質であり、体内に入ると細胞膜を通過してグルコースと同じ代謝経路を辿りますが、解糖系の初期の段階において代謝が阻害されるため細胞内に蓄積することを利用しています。脳腫瘍検査においては元々正常の脳自体が糖分(グルコース)のみをエネルギー源として使うためそれに伴いFDG取り込み量が多く診断が難しいケースが多くありました。一方、11C-メチオニン検査はアミノ酸を利用するので、正常脳の取り込みがFDGほど多くありません。この事を利用して、現在は主に脳腫瘍の検査に用いられています。
当院ではサイバーナイフによる定位放射線治療の為の治療計画や、治療効果判定にも使用しています。
有効な疾患
脳腫瘍(神経膠腫)や放射線治療後における効果判定、再発病変の検索など
※他に体幹部(頭頚部や骨盤内の腫瘍やリンパ節転移の診断)に有効という報告もあります
検査スケジュール、料金
火曜日が11C-メチオニン検査の対象日になります。現在、1日につき最大2名までとさせて頂いております。現在の予約状況についてはこちらを参照下さい。
11C-メチオニン検査は保険適応がされていない検査になります。その為、自由診療という形になります。詳しくはお問い合わせ下さい。
被ばくについて
11C-メチオニン検査は放射性同位元素を使用して行う検査のため放射線被ばくがあります。1回の検査で約5mSv(シーベルト)の被ばく量になり、これにCT検査分の被ばく線量が加わります。この検査による急性の放射線障害の心配はありません。
注意事項
①アミノ酸を利用して検査する為に検査6時間前からの絶食が必要になります。水分は摂取可能ですが、アミノ酸を含むスポーツドリンクのようなものはお控え下さい。水や緑茶であれば摂取可能です。
②検査前日の激しい運動は控えて下さい。筋肉に薬剤や集積する事があります。
③妊娠中、または妊娠の可能性がある方は検査が難しい場合があります。
④検査終了後から2時間程度は乳幼児との接触は控えて頂くようお願いいたします。
⑤半減期が短い薬剤になりますので、多少時間にゆとりを持ってご来院下さい。来院時間に遅れると検査が難しい場合があります。
⑥万が一、機器トラブル等により薬剤の合成や撮影が困難な場合は日程変更をお願いする事があります。予めご了承下さい。
⑦予め撮影済みのMRI検査データがあれば当日ご持参下さい。診断の参考になります。
検査の流れ
来院から会計まで約2時間になります。
撮影ご依頼時の流れ
- 01 ご予約
- まずはお電話ください。
宇都宮セントラルクリニックPETセンター
直通電話 028-657-7306
- 02 情報共有
- 患者さまのお名前、電話番号、病名等の諸情報をお知らせください。
お打ち合わせの上、撮影日の決定をさせていただきます。
- 03 撮影
- 撮影日当日、患者さまにご来院いただき、撮影を行います。
保険証、紹介状を忘れずにお持ちください。
- 04 結果案内
- 撮影後一週間以内に、読影レポートと画像は下記の手法でお返し致します。
①Citrix XenApp
②CD(DICOM-VIEWER付属)