当院代表佐藤俊彦のコラム ~新年あけましておめでとうございます~
新年あけましておめでとうございます
宇都宮セントラルクリニック 佐藤俊彦
新年はバンコクで迎えることができました。タイの東大と言われるチュラロンコーン大学の白鳥先生にお目にかかるのが目的だったのですが、核薬剤師の博士でとてもすばらしい先生です。いま去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)が増えていますが、対応策が抗がん剤しかないのが現状で、治療に抵抗性で骨転移やリンパ節があると痛みのコントロールもモルヒネに頼らざるを得ません。
Theranosticsという技術はPETで薬剤(18F-PSMA)が細胞内に入ることを確認して、177Lu-PSMAでβ線治療を実施するという画期的な治療です。ドイツのデータでは、40例の末期のCRPCに対して、177Lu-PSMAを実施して14例が完治したという噂を聞いています。
前立腺癌の膜表面から、β線治療を実施します。
(画像:Frontires in Oncology掲載の論文より。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6308151/)
治療効果を上げるためには、数回繰り返す必要があります。
トモセラピーやサイバーナイフが体の外から放射線を照射するのに対し、この治療法は体内に投与された放射線の発生源(放射性同位元素)をがん細胞の表面まで運びます。放射線照射により癌細胞にPD-L1が発現することもわかっているので、チェックポイント阻害剤が有効です。ベムブロリズマブ(キイトルーダ)による治験も開始されています。
「T細胞上のPD-1チェックポイントのスイッチをオンにするリガンドであるPD-L1が腫瘍と、それに反応して周辺組織に多量に発現し、T細胞の攻撃を停止させていたことも発見した。Sharma医学博士とAllison博士は、併用療法によりイピリムマブ(ヤーボイ)が免疫反応を誘導し、その後ニボルマブ(オプジーボ)がPD-1による非活性化から免疫反応を保護したのであろうと仮説を立てた」(参考:海外がん医療情報リファレンスhttps://www.cancerit.jp/62230.html)
このように、がん放射線治療とチェックポイント阻害剤(Killer-T細胞活性)の併用が常識になる中、学会はがんがHLA抗原を隠す事実を忘れています。つまり、NK細胞やγδ-T細胞が重要になってきます。
私の予想では、今後「放射線治療+チェックポイント阻害剤+NK細胞やγδ-T細胞療法」の組み合わせになってくると思います。また、オーストラリアのImugeneが開発しているB-cell-peptide-cancer-vaccinesは、このワクチンを投与すると患者さんの身体のB細胞が、PD-1やHER2に対する抗体を産生して、抗癌作用を発揮する画期的なものです。
2020年は、このあたりの研究がどんどん進んでいくのではないでしょうか?
北京の迦華クリニックのグランドオープンは、2020年4月になりそうです。MR/CTの設置許可も下りましたので、予定通りシーメンスのシステムを入れる予定です。当院と全く同様のシステムが導入されます。ぜひ、北京にお越しの際はお立ち寄りください。
https://mp.weixin.qq.com/s/PKvbeCz3b6VNFj5AoU4MOg
皆様のますますのご発展とご健康を祈念しております。
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