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当院代表佐藤俊彦のコラム ~AI診療と遠隔診療~

AI診療と遠隔診療

宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦

 

いつも大変お世話になっております。

もうすぐ春ですね・・・穏やかな気候になってきて、桜の開花も間近ですね。

 

当院でも、AIは積極的に取り組まなければならない課題ですが、まずは乳房の超音波の読影に使っています。日本人の乳房はデンスブレストであることが多いのですが、それを補完する意味で超音波検査はとても重要です。しかし、術者の技術によってヒューマンエラーも多々見られます。そこで開発されたのが、ABVSという3D超音波なのですが、500スライス以上の枚数を4部位から取得するので、画像が多くなり読影が大変です。これを1分足らずで解析するのがAIなのです。AIは疲れを知りませんし、一定の打率で結果を出してくれます。

 

当院においても、こんなケースがありました。私も伊藤先生も良性と判断したモノをAIが悪性と判断。そのため、MRIの造影検査を実施してみたところ、MRでは悪性像を呈するというもの。このように、人間の目では全体的な印象でとらえるのに対して、AIは機械学習やディープラーニング・ニューラルネットワークを介して、正しい診断に導くことができるのです。自然言語処理もかなり開発されてきて、日常的な会話体での回答を実施するアンドロイド ドクターの登場も間近ではないでしょうか?

現在AIで取り組まれていることのひとつは、予測診断です。AIと心電図を組み合わせて、心不全を予測する。AIと病理画像を組み合わせて、免疫療法の有効性を予測する“ラジオミックシグネチャー”などが実装されています。また、スタッフィングなどの勤務シフト表を自動作成したり、データ処理を標準化したりできます。救急医療の現場では、外傷の有無や脳出血の自動診断にも使われています。ニューラルネットワークを駆使することで、皮膚の写真から皮膚癌を拾い上げるのも、人間以上の精度で検出し、医師のサポートが可能です。

 

さらに当院では、Ubieの問診システムを採用しています。これは皆さんが、待合室でお待ちいただく間にAI問診を実施していただいたり、お薬手帳をスキャンして頂いたりすることで、臨床医に十分な診療内容を把握させる、あるいは正確な診断に導くお手伝いをAIがしれくれます。

海外では、AIによる診療が日常になってきており、長年イギリスではNHSが近隣のかかりつけ医(GP)に登録して、予約あるいは訪問診療で薬の処方や専門医を紹介してもらう仕組みだったのですが、AIがGPに置き換わる役割を果たしています。

Babylonという会社は、チャットボットによるAI問診で医師の予約などをサポートする仕組みで、GPへの受診が半減したようです。

当院では、まずはじめに遠隔診療からAIの導入を開始しました。

https://ucc.or.jp/telemedicine/

パソコンやスマートフォンを使ってアクセスしていただき予約をします。そして診療の前に送っていただいた画像や資料を読み込んでおりますので、スムーズな診療が可能です。また、質問事項を整理して前もってお送りいただければ、効率よくご説明が可能です。遠方の癌患者さんからのお問い合わせや、認知症外来の受診の方法など、様々な診療を実施しています。

外国人の方のご利用も増えております。通訳の方もアクセスできますので、ぜひご活用いただければと思います。また、決済は事前にカード登録をするシステムですので、会計待ちをする必要もありません。ぜひ、ご利用ください。

 

今後も、当院では最先端の技術の導入を図っていきたいと思います。