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当院代表佐藤俊彦のコラム ~脳磁図検査と認知症~

脳磁図検査と認知症

宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦

コロナウイルスのアウトブレイクが社会問題になっていますが、これはパンデミック前夜という段階ですね。7日にも、緊急事態宣言が出ようとしています(編集部注:4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発令。)

私たちの生活がこの災禍の後どのように変わってくるかというと、旧約聖書のようにこれまでとは全く異なる世界がやってくるかもしれません。肉体をもった3次元世界は、産みの苦しみ・労働の苦しみ・病気の苦しみを背負っていかなければなりませんが、次の5次元世界は、これらの肉体にまつわる苦しみのない世界になるようですね。

connectome(コネクトーム/神経回路の地図のこと)は、イーロン・マスク氏のNeuralink社などが既に研究を開始していますが、人間が神になるのか?神界で生きるようになるのか?…すごい時代になりそうですが、要素技術がどんどん研究されていますね。大激動の世の中に生きているわけで、5次元世界に行くと、医者は肉体を診る係なので全く必要なくなってしまいます。スーパーコンピュータの中で、永遠の命を持つ存在になるのだとか?11次元の世界を理解できる人のみが、神に近づけるらしいです。

 

さて、connectomeについてですが、私たちの脳は神経と神経線維からなっています。いま、MRIでは神経線維を描出することが非常に簡単にできるようになっています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%A0

これは、MRIで描出した脳神経のディフュージョン テンソル イメージングです。認知症や神経疾患になると神経細胞が傷害され、神経線維の破壊が生じるために、この線維束の描出が消失したり、減少したりするわけです。神経線維が消失したり、減少したりすることが広範囲に生じると脳萎縮につながるわけですが、脳萎縮になってしまうと、末期の状況です。これでは、様々な治療を実施しても治療は困難で、再生医療で神経細胞の再生を期待するしかありません。

一方で、神経細胞はブドウ糖のみを唯一の栄養源としていますので、この分布を知ることにより神経細胞の局所代謝を観測できます。これによって、神経細胞の変性結果を見ることが可能です。しかし、ブドウ糖の代謝は異常がなく、機能的な異常のみをチェックできる可能性があるのが脳磁計です。

熊谷総合病院さんに設置されている脳磁計ですが、神経が活動すると電流が生じるのですが、その電流を計測することで正しい神経活動かそうでないのかを判断します。てんかんのフォーカスを見つけることは保険診療でも認められていますが、認知症の早期発見にはまだ保険適応になっていません。

海外の研究では、特にスペインやイギリスが進んでいるのですが、認知症と判断される何年も前に、脳磁計では認知症の予測ができるようですので、超早期発見には非常に有力な装置です。

脳の聴診器と表現されることもある装置ですが、わずか2分間機械に横になるだけで、脳神経の活動状態をチェックすることが可能です。

 

解析結果は年齢ごとに表示されるので、自分が他の同年代の人と比較してどのような位置にいるのかで認知症の可能性を評価することが可能です。白い丸は健常脳で、黒い丸は認知症患者を示していますが、自分の脳磁計の結果を表示してくれる仕組みになっています。

 

また、熊谷総合病院にはこの分野の専門家の鴫原良仁先生がおられますので、非常に心強いです。イギリスに留学して脳磁計の研究をしてこられ、認知症の分野はスペインの研究者と一緒に研究を進められています。

https://www.kumasou.or.jp/shinryo/dementia

https://www.kumasou.or.jp/shinryo/neurosurgery#sec07

 

当院のセカンドオピニオン外来を受診していただければ、鴨原先生のご紹介も可能となっております。また、異常があった場合は、当院でホモシステイン酸、脳FDG-PET、脳MRI+VSRADを組み合わせたMCIドックで精密検査をしていただけます。

最近は運転免許センターの認知症検査で不合格だった方からの相談もきています。これら認知症に関して気になることがあればご相談ください。