【リリース】乳がん検診の啓発活動のため乳腺専門医による講演を行いました。
~栃木県の乳がん検診受診率50%を目指して~
乳がん検診の啓発活動のため乳腺専門医による講演を行いました。
医療法人DIC 宇都宮セントラルクリニック(栃木県宇都宮市屋板町/理事 佐藤俊彦)のブレストセンター センター長・乳腺専門医 伊藤淳は、NPO法人ピンクリボンうつのみやの理事として、2019年7月16日に宇都宮大学まなびの森保育園にて、峰陽会所属の3園の職員約100名を対象とする乳がん検診受診率向上や乳がんについての正しい情報をお伝えする事を目的とした講演会に登壇しました。
◆栃木県の乳がん検診受診率50%を目指して
・・・最近、多くのメディアで芸能人の乳がん罹患について取り上げられ、若年層や子育て世代の乳がん罹患に関する問題が注目を集めています。そんな中、宇都宮市の乳がん検診の受診率は18%程度(※1)に留まっています。当院では、NPO法人ピンクリボンうつのみやの乳がん検診受診率向上を目標とした活動に賛同し、協力医療機関として、医師による乳がん検診の啓発活動に取り組んでいます。
◆乳腺専門医 伊藤の講演内容
1.乳がんの現状
現在、11人に1人が乳がんに罹患すると言われています。しかし乳がんは、罹患率は高いものの早期発見ができれば死亡率が低い病気でもあります。日本人女性には「デンスブレスト(高濃度乳房)」の方が多く、マンモグラフィだけでは病変を見つけにくいケースが多いのです。そのため、超音波検査を併用することをおすすめしています。
2. QV-CAD+AI
当院では、QView Medical社開発のQV-CADを2017年より導入しています。これはAI(人工知能)技術を使ってABVS(乳房専用3D超音波装置)の結果を判定するためのコンピュータ支援検出システムで、検者の技量によらない再現性と客観性をもった診断ができるのが特徴です。こういった最新技術を利用して、より精度の高い乳がん検診を受けることが重要です。
図1:40代女性。デンスブレストの患者の検査画像。右乳房に1.8㎝の腫瘤。
一般的に乳がん検診で用いる検査には、マンモグラフィと超音波(エコー)がありますが
それぞれ得意とする対象が異なります。
<マンモグラフィ>
乳房専用のレントゲンで、触診で見つけることのできない小さなしこりや微小な石灰化の発見が可能です。
マンモグラフィの画像では、乳腺が石灰化した乳がんと同様に白く写るため
デンスブレストの場合、がんを見つけることが難しいのです。
<超音波>
超音波検査は、X線を使用しないため妊娠中の方でも安全に検査を受けることが可能です。
微細な石灰化を発見しにくいという点があります。
デンスブレスト(高濃度乳房)が原因で、がんが見落とされてしまわぬよう、マンモグラフィと超音波検査を併用することが重要です。
◇QV-CADとは?
ABVS(乳房専用3D超音波装置)の結果を判定するためのコンピュータ支援検出システムです。図2は、同時に施行した検診の超音波検査では「異常なし」と診断されましたが、QV-VADでは「悪性病変の可能性が高い」との指摘があり、超音波ガイド下生検(※2)を実施したところ「浸潤性乳管がん」との診断を受けた例です。
このように、人間の目だけでは見落とされてしまう病変もあるため、最新のAI技術を利用して、より精度の高い検査をすることが大切です。
図2: 40代女性。QV-CADビューア画像。画面右下に「悪性病変の可能性が高い」との指摘あり。
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◆講演会詳細(実施済み)
日時:2019年7月16日(火)18:00~19:00
場所:宇都宮大学まなびの森保育園(宇都宮大学峰キャンパス構内)
主催:社会福祉法人峰陽会
対象:峰陽会所属の3園の職員 約100名
(宇都宮大学まなびの森保育園、まなびの森あずま保育園、まなびの森保育園分園)
講師:伊藤 淳 医師
(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック ブレストセンター センター長・乳腺専門医
/ピンクリボンうつのみや 理事)
※年間を通して、栃木県内各市町村と連携して行う講演会や、企業向け、一般の方向けの講演会など、様々な啓発活動を行う予定です。
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~講演会に参加された皆さまの感想~
「高濃度乳房について初めて知りました」
「自分が高濃度乳房かどうか知りたい」
「検査によっては見えない病変があると知り、驚きました」
「早期発見・早期治療の大切さがわかりました」
※1 栃木県/がん検診の実施状況(2017年度)より
※2 超音波ガイド下生検とは、超音波で腫瘍や病変が認められる場合、確定診断を得るために局所麻酔をして超音波画像を見ながら針生検または吸引式組織生検をする方法。