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2013年宇都宮セントラルクリニック ブレストセンター開院しました

2013年宇都宮セントラルクリニック ブレストセンター開院しました
宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦
 
年末を迎え、皆様、お元気でお過ごしのことと存じます。
先月の23・24日の当院のブレストセンターの内覧会には、合計800名以上の皆様のご来院をいただきました。
厚く御礼申し上げます。
23日は、医療関係社の内覧会だったのですが、大学病院の先生をはじめ多数の医療関係社の皆様にご来院いただきました。
その日の懇親会を兼ねた落成記念パーティーでは、約100名のお客様をお迎えし、当院のビジョンをお示しできたと思っております。
概略をご説明しますと、
1997年の創業では、米国式の独立型の画像診断センター・遠隔画像診断・グループプラクティスを日本中に広めようと、起業しました。
そのときに書いた本が、“医療崩壊回避できず”でした。医師不足によっておこった医療崩壊を、医療ITを駆使して解決していくモデルを考えた訳です。

ついで、創業第二期は、がん診療にPETが必須であるという論文がではじめた2000年頃、本当に診療で使ってみたいと思いました。
しかし、約20億円の予算がかかるために、四苦八苦していたのですが、ある朝、“もんじゅのプロジェクト中止”のニュースをみたわけです。これで原子力の技術者はリストラだなと思いました。そこで日立製作所に“この原子力の技術者をPETの技術者として使ってはどうですか?”という提案を思いついた訳です。
これがきっかけで、日立製作所が、大学モデルを東京女子医大、病院モデルを東村山病院、クリニックモデルを当院でPETセンターを構築するというビジネスを立ち上げることとなった訳です。
2003年5月には、第二の創業、PETでがんの早期診断・メディカル倶楽部創設・メディカルツーリズムを展開するに至り、“ガンでは死なない、ボケにはならない”“100歳まで現役で生きる人のシンプルな習慣”を出版することになりました。

そして、第三の創業の今年を迎える訳ですが、昨年からのトモシンセシスの薬事承認や今年のPEMの薬事承認など、乳がん診断の技術革新が相次いだ年でありました。しかし、乳がんに対する啓蒙活動は、日本の場合まだまだで、マンモグラフィ検診の受診率も、約20%ときわめて低調なのが現状です。
この現状を打破するためには、痛くないマンモグラフィで検診をする。つまり、トモシンセシスでの検診をファーストチョイスで実施していく、
さらに小さいがんを見つけたい人のために、PEMを臨床の最前線で使うために、女性専用の検診センターとブレストセンターを併設することにしました。
目標は、マンモ検診受診率50%をクリアする・1cm以下の乳がんをみつけて、切らずに治す・乳がんの術後外来を10年間フォローするためのフォローアップ外来を確立することです。
このために、PEMを装備した、日本ではじめてのブレストセンターを開設しました。

乳腺外科医は、自治医大の穂積准教授・宮崎先生(女医)・埼玉医大のオンコサイコロジーの遠山先生・福島医大の伊藤先生らにお願いしており、診断から治療、術後フォローまで一貫して、乳がんを診られる施設を目指しました。
放射線科医と乳腺外科医の連携のもとに、検診から、一貫した乳がん診療を目指します。
外来での組織生検はもちろんのこと、外来手術も可能となる施設を目指すつもりです。

また、これを機会に、メディカル倶楽部もバージョンアップして、Executive+というサービスをリリースしました。
これまでの画像診断による予防医療に、テロメスキャンとBAK療法を加えたもので、身病のがんをみつけて治そうという内容のコースです。
これからも、最新の画像診断技術を、診療や予防医療の最前線で使っていけるように画像診断センターの充実をはかっていくつもりです。
また、今年のRSNAにも、参加してきました。
やはり、PHILIPSがすごいと思ったのは、マンモグラフィでフォトンカウンティング技術を応用した製品を昨年発表していたのですが、それをCTおよび半導体PETにも応用して、さらに次の世代の画像診断機器をリリースしていたところです。
 
当院でも、次世代PET/CTに関しては、2年後の正式リリースに向けて導入を準備していこうと思っております。
また、米国の中川先生のご紹介で、若い技師(高橋・田中)君たちと、米国の画像診断センターを見学してきました。
オバマケアのおかげで、大きな医療のスキームの変化がみられ、これまでは独立型の画像診断センターがものすごく増えていたのですが、病院の画像診断が約2倍となったため、保険会社は画像診断センターに紹介するようになったが、件数をこなすには限界があるので、収益が悪化して、病院への身売りをする画像診断センターが急増しています。
画像診断センターの51%以上の株を取得すると、病院と同じ保険点数になることも加速している一因です。
また、医師も、これまではPPMC(Physician Practice Management Company)のように、独立して病院に就職しなかったものが、Affordable Care ActによりACO(Affordable Care Organization)に就職する動きが加速し、医療費の低減効果を発揮するようになっています。つまり、給与が安く押さえられるようになっているのです。
 
また、モバイルビジネスは、PETやPEMをのぞいては、ほとんど成り立たなくなってきていますが、唯一、マンモグラフィのモバイルビジネスは好調で、トモシンセシスによる検診が標準となろうとしています。
米国の動向は、今後の日本の医療を占うに非常に参考となりました。
今後、トモシンセシスでのマンモグラフィ検診は標準となり、PEMは、さらに件数が見込まれると予想されます。
5年ぶりに、中国人の友人とシカゴで会うことができました。
彼女は、ドレスのデザイナーです。中国にはウェデイングドレスの需要しかないのだが、西洋社会では、高校生が卒業するときに必ずドレスを作るし、カクテルドレスやウェデイングドレスと言った何種類ものドレスを作るらしいので、
それらをデザインして、中国の工場に発注し、西洋で売るというビジネスモデルで成功しています。
アップルのi-phoneのモデルも同様であり、「なるほど、すでにコモディティ化しているユニクロやGAPと異なり、客単価が高い世界でこそこのモデルは通用するのかもしれない」と考えた次第です。
ネット販売ですが、体系がスペシャルなので、同じくらいのフィッティング料金をとるそうです。なかなかいいところに目をつけていると感じ、中国人女性のたくましさを思い知らされました。
今年は、1年半にわたって暖めていたブレストセンターを開設でき、1年がかりでいい施設に仕上げていく予定です。
今後とも、皆様のご支援のほど、よろしくお願いします。




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