医療関係のみなさまへ
当院の主な検査機器のご紹介:PET-CT
PET-CTについて
この装置は、CT画像を同時に撮影することにより、機能画像と形態画像をスピーディーに取得する事ができます。
2019年5月より新たにフィリップス社製PET-CT装置『Vereos PET/CT』を導入しました。
PET/CTが2台体制となり、よりご希望に合わせて検査を行うことができるようになりました。
Vereos PET/CTの特長として検出器にデジタル半導体が採用されています。
従来PET装置ではアナログ信号からデジタル信号に変換する際にノイズが生じていましたが、デジタル半導体では直接デジタル信号としてカウントすることができノイズをカットすることが可能となりました。(デジタルフォトンカウンティング技術)。
従来PET装置と比べ・・・
・信号の収集効率がアップ。
・Time-of-Flightでの時間分解能が従来495ピコ秒から310ピコ秒へと短縮。
・感度、空間分解能、定量性が従来と比べ2倍超。
今まで以上に正確な診断・治療計画にお役だてください。
特長 ~少ないネットワーク負荷で大きな仕事
ブドウ糖に「放射性同位元素」をくっつけた薬剤(以下FDGと略します)を注射すると、微量の放射線を発する「放射性同位元素」が発信器のような役割をします。
このFDGを検知するPETカメラ(CTに似た装置)で体内のFDG分布を画像化し、「がん」の位置と大きさ、進行度合いを調べます。
検査可能項目
アルツ(Alzheimer型認知症)PET
アルツPETでは脳の機能低下を画像として表示します。早期アルツハイマー型認知症の診断に有効です。撮影はFDG投与30分後と90分後以降の2回撮影、1bet/10min収集で行います。検査時間は約2時間です。iSSP(統計学的画像診断ソフトウェア)にて、収集データと健常者データを比較しZ-scoreを算出、機能低下している部位を表示します。同時に頭部MRI検査を行なうことで、PETとMRIのFusion画像を作成し位置情報をより正確に知ることが可能です。頭部PET検査は保険適応外となるため、当院では先生方からの紹介状がある場合に限り自費検査33,000円(税込)にてご提供致しております。
※iSSPは診断を補助する為のツールになります。確定診断は臨床症状と合わせてお願い致します。
※正常例のデータベースは30歳以上で作成されている為、若年齢の場合はエラーになる可能性があります。
リウマチPET
PET検査で使用する18F-FDGは、癌だけでなく炎症部位も取り込まれるため、炎症性病変の診断にも有用であるとされています。リウマチ性疾患・血管炎・不明熱鑑別の診断を期待できます。撮影方法は通常のPET検査と若干異なり、撮像範囲を頭部(眼窩)から足先までとし、FDG投与から60分後の一回撮影のみとなります。リウマチでのPET検査は保険適応外であり、当院では先生方からの紹介状がある場合に限り、リウマチPETとし自費検査55,000円(税込)にてご提供致しております。
心臓サルコイドーシスPET
PEM(乳房専用PET装置)
2013/7/1より保険が適応となりました。ただし保険適応の条件として全身PET/CT+PEMで検査を行なう必要があります。検査時間はIVから約2-3時間です。
DCIS(非浸潤性乳管がん) 他院にて区域性石灰化を認め、細胞診により左乳癌(Ductal Carcinoma in Situ) STAGE 0~1と診断されている。Stagingのため、PEM検査施行。検側の病変の広がり、対側にも病変を指摘された例
IDC(浸潤性乳管がん) IDC(浸潤性乳管がん)
その他 (良性疾患) 前医にて乳管内乳頭腫と診断され、PEMにて精査を行った例。積極的な高集積は認めず、悪性細胞は否定される。前医の診断と矛盾しない。
その他 (良性疾患) 自覚症状なし。検診にて集積を認める。Tomosynthesisでは右乳房に2個の小さな石灰化を認める。一方、PEMでは右乳房CD領域(左記Tomosynthesis石灰化と同部位)に集積を認め生検によりDCIS疑いと診断。その後、切除術を行い、術後病理にて乳腺症と診断された例。前がん病変を検出していた可能性がある。
※通常型乳管上皮過形成
平坦型上皮異型 FEA: flat epitherial atypia
異型乳管上皮過形成 ADH:Atypical ductal hyperplasia
FMT-PET
FMT-PETはAADCという酵素をリガンドにしたParkinson病に特化したPET検査になります。F-DOPAやDAT-Scanと比較すると解像度の高い画像が得られるのが特徴です。薬剤注射の1時間前にAADC阻害薬を前処置として飲んで頂き検査を行います。検査時間はIVから約2時間程です。保険適応外の検査になりますので、全額自由診療となります。検査依頼方法、検査料金については当院の放射線科までお問い合わせ下さい。 FMT-PETについて詳しく見る
C11-メチオニン(MET)PET
11C-メチオニン(Methionine)検査は、11C標識アミノ酸をトレーサーとして用いた検査の1つです。神経膠腫のような脳腫瘍の検査に有用性が高く、放射線治療による炎症との判別には特に有効な検査になります。
薬剤注射から10分後に検査開始になります。MET-PETについて詳しく見る
PET-CTの症例
PET-CT検査の弱点
これまで難しかったがんの早期発見を可能にしたPETですが、全てのがん細胞を見つけられるわけではありません。
PET検査の特性上、以下の場合や部位は、発見・判定が困難であるといわれています。PETに加え、ほかの検査方法を併用して見つけ出す必要があります。
PET検査では発見されにくいケース
- 胃や食道などの消化器官粘膜に発生するごく早期のがん
- ごく小さながん細胞が、散らばって存在する場合
- 糖を必要としないがん細胞(まれにこのようながん細胞もあり、その場合は発見できないこともあります)
- 炎症を起こしている部位(FDGが集まりやすいため、がんと判別が紛らわしいことがあります)
- 正常でもFDGが集まる臓器:泌尿器科系・脳・心臓・肝臓(もともと多くの糖を消費する ・・・ 脳、心臓)
(投与した薬が尿として排出される経路である ・・・ 腎臓、尿道、膀胱) - 肝細胞がん、胆道がん、白血病など(これらに対しては有用性が低いといわれています)
- 糖尿病の方(FDFが筋肉に集中しやすいため、検査の精度が落ちる場合があります)
※血糖値が150~200mg/dlを超えている方は診断が難しいとされています。 - 一部の肺がん、甲状腺がん、胃がん(PETの得意とするこれらのがんも、全て発見されているわけではなく、まれに見つからないケースもあります)
撮影ご依頼時の流れ
- 01 ご予約
- まずはお電話ください。 宇都宮セントラルクリニックPETセンター
直通電話 028-657-7306
- 02 情報共有
- 患者さまのお名前、電話番号、病名等の諸情報をお知らせください。
お打ち合わせの上、撮影日の決定をさせていただきます。
- 03 撮影
- 撮影日当日、患者さまにご来院いただき、撮影を行います。
保険証、紹介状を忘れずにお持ちください。
- 04 結果案内
- 撮影後一週間以内に、読影レポートと画像は下記の手法でお返し致します。
(1)Citrix XenApp
(2)CD(DICOM-VIEWER付属)