第23回日本乳がん画像診断研究会に参加して
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第23回日本乳がん画像診断研究会に参加して
宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦
3月15・16日と香川県の高松市で、乳がん画像診断研究会が開催され、ひととおり聴講して来ました。これまで、当院は、トモシンセシスやPEMなど最新のモダリテイを準備して、診療体制を構築してきましたが、なかなか利用率が上がりません。
不思議だったのですが、この研究会に参加してようやくわかりました。
まず、医者が少ない学会であること。ほとんどは放射線技師・超音波担当の臨床検査技師が主体の学会であるようです。したがって、PETに関する発表も、ポスターで“豊胸術後乳房にPET陽性所見がみられ、原発巣の鑑別に苦慮した肺門部腫瘍の1例”という内容のものだけでした。新しいモダリテイに対する関心がそもそも低い学会であると感じました。
当院も、新しいモダリテイに関する発表を学会でしていかなければならないと痛感したわけです。
私が、PETを2003年に導入したときも、まさしく、医者の先生たちは、興味を示しませんでした。したがって、患者さんや一般の人たちを啓蒙するべく、PETに関する本をいくつも書きました。
“がんでは死なない!ボケにもならない!”
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“PET検査―痛みのない画像検査で、健康に生きる”
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“100歳まで現役で生きる人のシンプルな習慣”
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これらの本で、講演会をやってきたわけですが、乳がんに関する啓蒙活動を今後はも実施していかなければならないと感じました。
そこで書いたのが、
“超早期乳がん最新治療”
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です。これは、乳がんの診断についての本ですが、あえて“診断”にせず“治療”にしたのは、乳がんは早く診つけて早く手術するか、あるいは、いまは、手術をしなくても治せる治療法があることを皆さんに知ってほしいという思いからです。
県内の書店のTSUTAYAさんや落合書店さんでは、平積みになっておりますので、ぜひ一度、ごらんいただければ幸いです。
最近、当院のMRIの予約が取れないと、クレームのお電話をいただいておりますが、原因は消費税増税前の駆け込み健診がその理由です。
消費税増税後の健診価格に関しては、別途、ご案内させていただきますが、当院の自由診療に関しても、価格が大幅に変更されることになります。
消費税が、10%にさらに増税されますので、これは由々しき自体ですが、政府の方針なのでしかたがありません。
やはり、万が一のためにも、二人に一人ががんになる時代ですので、余裕を持ってがん癌治療に取り組むためにも、経済的な余裕が必須で、そのための医療保険への加入はますます重要になってくると思われます。
最近、医療保険の代理店研修などに講師として招聘されることが多いのですが、ますます必要だと思っています。
先日、関西関東の私立医科大学の研修医の先生が訪ねてきました。
“だから放射線科医はおもしろい!”を読んで興味を持ったとのことでした。
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私が施設を案内したのですが、大学にも入っていない設備だと、写真をいろいろ撮っていました。は、心臓外科にいくか?放射線科にいくかを悩んでいる中で、僕の本を読んで放射線科を選択しましたといってくれました。本を書くことによって、若い世代の人たちが興味を持ってくれたことが非常に嬉しく思いました。28歳の彼は、たぶん今の研修医生活後には、新しいことをやってくれると期待していますが、早く、海外に行くように薦めました。
まずは、日本の医療をよくするために、海外の実情を確認してくること、そして、IVRを専攻したいとのことだったので、IVRと再生医療の可能性についても、アイデアを話しました。
私も、次の展開で、再生医療をどうしていくのか?検討しています。
具体的には、免役治療と遺伝子治療です。
まず、免疫治療に関してですが、
“再生医療促進法”が成立し、今後は企業が培養をできるようになります。
いまは、免役細胞療法の免役細胞培養を外部委託していますが、これを企業で実施できるばかりでなく、IVRと組み合わせて、動注療法や直接穿刺などが可能となり、効率的な免役治療が可能となるわけです。
今後この分野では、ぜひ、放射線治療と組み合わせてがん癌治療に貢献できればと考えています。海外の製薬メーカーは、すでに、抗がん剤の開発をやめています。免役細胞療法に開発をシフトさせているのです。
抗がん剤は、延命効果がないとはっきりわかっているからです。
最近、がん患者さんの診療をしていると、“抗がん剤の副作用が怖い、効果がなければ、治療を選択したくない”という相談をいただきます。
わたしは、標準的治療をまずはお勧めします。“がんもどき”を放置するようなご説明はしたくありません。せっかく治るとわかっていながら、みすみす治療のチャンスを逸してしまい、進行癌になってから来る患者さんが後をたちません。
したがって、正しい情報をご説明する義務を医師は負うべきと思います。
そして、2つ目の遺伝子治療ですが、自治医大の村松教授と“パーキンソン病の遺伝子治療”を進めています。これは6年前から、人体に実施しており、効果も優れていますし、副作用もありません。では、どうして?製薬企業が研究支援をしないのか?それは、自分の会社のパーキンソン治療薬が売れなくなるからです。
なんとしても、この治療法を世の中に出していけるように、今後も努力していくつもりです。
http://www.jichi.ac.jp/openlab/newsletter/letter08.pdf
今後とも、皆様のご支援のほど、よろしくお願いします。