代表的な症状

胆のう炎(急性胆のう炎)は、胆のうに突然生じた急性の炎症性疾患で、急にお腹が痛くなる病気の中の3~10%を占めます。
胆のう内に胆石を有していると胆のう炎になる危険度は高くなり、胆石保有者の3.8~12%が急性胆嚢炎を将来的に発症すると言われています。
 

胆のう炎

 

 
胆のう炎を発症した時に自覚症状としては、発熱、右脇腹の痛み、黄疸が見られることが多く、そのほとんどは突然発症します。
また、右側の肋骨の下を押しながら深呼吸をすると、痛みで呼吸が止まってしまう症状が出ます。
これをマーフィー兆候と言い、胆のう炎に特徴的な症状として知られています。
 
胆のう炎は未治療のままだと重症な感染症を引き起こしやすいため、重症例になると血圧が低くなったり、意識の状態が悪くなるなど、命に関わるような症状を呈することもあります。

 
胆のう炎を発症する原因の多くは胆石があることと言われています。
しかし、その他にも胆のうの血行障害、薬剤や熱による損傷、細菌、寄生虫などの感染で発症することもあり、それらは無石性胆のう炎と呼ばれ、重症化しやすいとされています。
 
その他特殊な胆のう炎の原因として、以下のような原因があります。
 

  • 無石胆のう炎
  • 黄色肉芽腫性胆のう炎
  • 気腫性胆のう炎
  • 胆のう捻転症

胆のう炎が疑われた場合には腹部超音波検査やCTを行うことが多く、どの原因かはある程度判断することできるようになっています。

 
胆のう炎は、重症度に応じて以下のような3段階に分類されています。

急性胆のう炎の症状が重く、心臓や肺などの他の臓器がうまく機能しなくなっている状態です。集中治療や緊急処置を行わないと生命に危機が及びます。

重症胆のう炎ほど他の臓器への影響は及ぼすことはありませんが、炎症の程度が強く、早期の緊急処置が必要な状況です。

重症でも中等症でもない状態の急性胆のう炎を指します。
 
胆のう炎は、一般的に軽症胆のう炎として発症します。
ところが治療が遅れたり、適切な治療を受けられなかった場合には、時間経過とともに中等症、重症へと変化していきます。
重症へと変化していく過程で、胆のう穿孔、胆汁性腹膜炎、胆嚢周囲膿瘍といった、重篤な合併症を起こす危険性も高くなっていきます。

 
胆のう炎の治療は、一般的には以下の様な治療法が選択されます。
 

  • 腹腔鏡下胆のう摘出術
  • 胆のうドレナージ術
  • 抗菌薬治療

これらの治療法と3段階の重症度などを加味して、最適な治療法を選択することになります。
 
軽症から中等症までの急性胆のう炎では、原則として早期の外科的手術が推奨されています。
しかし、重症胆のう炎のように、他の臓器に障害が出ているような状況では、まず臓器障害の治療を行い、状態を安定させた後に胆のうドレナージや抗菌薬治療を組み合わせた治療を行います。
体の状態が悪い時に、積極的に手術を行うことはありません。
 
胆のう炎を、抗菌薬治療などを用いた保存的加療(外科手術以外)で治療したとしても、約22~47%の方は再度胆のう炎を発症するとされていますので、胆のう炎が治癒した後に外科手術を受けることが多いです。

 
胆のう炎は、可能な限り中等症までのうちに治療を受けることが勧められます。
胆のう炎が疑われた場合は、消化器内科医や外科医が在籍し、緊急手術に対応できるような医療機関への受診を心がけてください。