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当院代表佐藤俊彦のコラム ~慢性外傷性脳症(CTE:Chronic Traumatic Encephalopathy)~

慢性外傷性脳症(CTE:Chronic Traumatic Encephalopathy)

宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦

 

早くも2月になりましたね。当院は中国の春節を利用した健診ツアーで大変忙しくしております。現在、中国のインバウンドは毎月50名前後ですが、この勢いで行くと100名近い患者さんが来院されることになると考えております。

 

さて、本日の話題は認知症に関してなのですが、私たちはアミロイドβ仮説に基づく研究をしてきたわけで、それに対する蓄積を止める薬や分解を促進する薬はすべて意味がないということが確認されており、世界中の製薬企業がこの分野から撤退を開始しております。

この画像は、認知症症状を呈している患者さんのアミロイドイメージングのPET画像です。

アルツハイマー病の患者さんよりも、フットボール選手や戦争に従軍した兵士の方が、広範囲に強い集積を来していることがわかると思います。つまり、脳振盪を繰り返すフットボール選手や戦争に従軍した兵士の頭は、強く振られると脳実質の損傷を起こして神経細胞の壊死が起こり、アミロイドβやタウ蛋白が蓄積することがわかってきています。要するに、慢性の外傷が認知障害を引き起こすことがわかっており、これをCTEといいます。

CTEは認知障害の原因となり、アルツハイマー病と誤診されるくらい似ています。これを発表したのが、ナイジェリア出身の神経病理医のオマル医師です。それまでNFLは、脳振盪に関する影響はないとする論文を書いてきましたが、現役引退後にたくさんの選手が同じように認知症や精神疾患を発病することから、病理解剖して特殊染色を進める中で、新しい疾患を見つけていきます。

この過程はConcussion(コンカッション)という映画の中でよく描写されていますので、ぜひ一度観ていただければと思います。

https://in-movies.com/blog/concussion

重要なのは、PETの役割です。これまでは選手が死亡して病理解剖を実施しないと原因がわからなかったのですが、いまはアミロイドPETやタウPETを実施することで、生前に診断することが可能になっています。逆に、アルツハイマー病で認められるアミロイド沈着やタウ蛋白の出現は、別に原因があるために起こる結果だということです。世界中の製薬会社が、実は方向転換を始めています。アミロイドβ理論にしがみつくのではなく、別物質の発見と治療薬の開発をしようという流れです。

 

私たちは、佐賀大学の長谷川先生の研究成果であるホモシステイン酸と認知症の関係から、「Phenomenon 1969」というサプリメントを開発しました。製薬企業にとっても、治験を成功させるためにMCIの患者を集める必要があります。また、サプリメントを服用いただく患者様にとっても、MCIで診断されることがベストです。ところが、認知症専門医という先生方は、末期の認知症しか診断できません。それは、PETが保険適応になっていないからで、臨床の現場では使えない検査であるからです。これは世界の非常識で、至急改善されるべきだと思います。

 

当院は、MCIの発見に全力で取り組んで参ります。MCIドックは、血中ホモシステイン酸、頭部MRI(VSRAD)、頭部FDG-PETをセットにした検査です。これにより、以下の診断基準で治療を開始します。

すべて正常:経過観察

ホモシステイン酸高値:水素サプリメント

ホモシステイン酸高値+頭部FDG-PET(異常)+頭部MRI(正常):1969

ホモシステイン酸高値+頭部FDG-PET(異常)+頭部MRI(異常):1969+認知症薬

 

3月に当院主催の認知症セミナーが実施されます。

  1. MCIドック
  2. 急性期の脳卒中を予防して、高次脳機能障害を回避する
  3. 意志能力鑑定とは?
  4. 認知症になる前に備えておくべきお金の話

これらの重要なテーマで講演会を実施しますので、ぜひふるってご参加をお待ちしております。

◇セミナーの詳細はこちら↓

https://ucc.or.jp/2019/02/10806