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ニューヨーク オムニチャネル視察

宇都宮セントラルクリニック 放射線科医 佐藤俊彦
 
桜の季節に雪が降るという異常気象やら、イルカが100頭以上も海岸に打ち上げられるなど、東日本大震災の時と重なる現象が起きているようで、地震が心配ですね。
皆さんは、すでにいろいろ対策を講じていらっしゃることと思いますが、地球は確実に寒冷化へと向かっているようです。
 
私は、テスラモータースのモデルSという車に乗っています。
http://www.teslamotors.com/jp/
この車は、500円の充電代金で、約500Km走行できて、フェラーリよりも加速がいい車です。トヨタ自動車やパナソニックも出資してできた会社で、イーロンマスクがCEOをしています。
販売方法は、WEBサイトで情報を収集し、WEBサイトから米国にオーダーを実施して、デポジットを350万円支払うと2週間以内の変更はできますが、それ以降は注文が確定する仕組みになっています。
納車のスケジュールが決まると、充電ポートの部品が届きますので、地元の電気屋に工事を依頼して設置します。テスラの実車で納車担当のスタッフがチェックにきて、正常動作を確認します。
納車当日は、運送会社が車を持ってきて、あらかじめ指定された納車時に見るWEBサイトに取扱説明が出ているので、自分で見ながら操作して終了ということになります。
日本では全く考えられない発注スタイルを経験することになった私は、米国の販売方法にものすごく興味を持ったわけです。
 
現代社会では、私たちは知らず知らずのうちに、オムニチャネルを経験しています。
まずは、スマホで情報収集、WEBサイトの比較サイトで価格をチェック、SNSで口コミをチェックし、店舗で実物を動かす、コンタクトセンターにチャットで質問、SNSでレビューをチェックし、スマホで発注する。近隣のコンビニや店舗で引き取るか、宅配で受け取るか、という手順でオムニチャネルを経験しています。
スマホがあれば、かなり便利であることがわかります。

生活者の一日に目を向けてみると、いかに移動中、スマホで情報収集しながら、購入活動をしているかがわかると思います。

24時間神出鬼没なお客様に対して、いかにコンピュータが情報提供・発注業務を実施するかがポイントで、これをデジタルパーソナライゼーション(one to one marketing)といいます。
また、リアルタイムに在庫があるかどうかの情報提供、あるいは広い売り場であれば、どこの棚の何番の陳列棚にあるのかを表示することも重要になってきます。
そして、最後に商品の受け渡しになりますが、このラストワンマイルがお客様にとって最も便利な方法で受け取れる仕組みである必要があります。この3つの要素が”オムニチャネルのKEY-WORD”になるわけです。
 
今回、私が参加した視察では、これらを体験するために、walmartでの”Saving catcher” union sqでの”shopkick”、KeyMe、Home Depotでは、ほしいものがどこの店にあるのか?在庫状態や陳列棚の表示などすべてスマホでできることを確認しました。
また、Targetでは、“cartwheel“、shop & shopでは、”Scan it”を体験してきました。
 
アメリカの小売りが、人員を減らし、効率よくマーケッテイングしていることを感じることができました。
また、日本にもこの流れは必ず来るのだと思います。
 
医療関係では、walgreensというドラックストアに行ったのですが、コンビニ・ドラッグストアにwalk in clinicが一緒になったような旗艦店で、オンラインでの薬の発注や宅配が可能となっています。
米国に特徴的な組織として、PBMという薬剤給付管理会社があり、保険会社、製薬会社、薬局、医療機関、患者の利害関係者の間に立ち、臨床的および経済的に最高の利益をもたらし、薬剤給付の適性マネージメントをオンラインで実施しています。

WalgreensのPrescription Saving Clubでは、会員になると、ジェネリックのカテゴリーや処方期間に応じての割引や多数のブランド医薬品の割引、保険では担保されない予防薬やライフスタイルドラッグの割引、予防接種の割引、walgreens healthcare Clincでの医療費の割引などが受けられる仕組みになっています。
これらは、日本の調剤薬局では割引などあり得ない状況ですが、逆に世界の常識は種々の割引をして販売しているのが現実なのです。
日本の消費者も、このように医薬品も割引で変える仕組みがあることを勉強する必要があります。
ご自身の服用している薬の効能や副作用を確認し、最適な価格で購入する、また在庫がどこにあるのかも含めて、スマホでチェックでき、しかも宅配してもらえる仕組みがあれば、超高齢化する社会には必須の仕組みなのではないかと思います。
まさに、医療分野もオムニチャネルの適応分野と思います。
医療に関するCOO(Chief Omnichannel Officer)が要請されるべきとの感想をもちました。
 
当院でも、今後さらにWEB、FBなどの連携を通して、構築を図りたいと思っています。


皆さん、オムニチャネルに少し興味を持っていただくことはできましたでしょうか?
やはり、大きなIT投資が必要で、大手資本の会社でないと難しいのかもしれません。
 
話は変わって、マスターズ2015を観戦に、オーガスタに行ってきました。
成績は、すでに皆さんご承知の通りですが、松山選手の最終日の追い上げはすごかったですね。会場には、たくさんのギャラリーが来ておりまして、アメリカのゴルフ人気を物語っておりましたが、ゴルフ場自体、1週間で一年以上の収入を稼いでしまって、ラウンドさせて収入を得ることが必要でないビジネスモデルになっています。したがって、人件費も節約できますし、これもうまいビジネスモデルだと思いました。
また、先日は、小金井カントリークラブにご招待いただいたのですが、こちらは年間の赤字を会員さんに回して赤字補填をお願いするというもので、これもたくさんラウンドさせて、固定費を抱える必要がなく、芝も痛めないで済む仕組みなんですね。大変勉強になりました。
世の中は、デフレ縮小化へ向かっているわけですので、オムニチャネルも大きなIT投資が必要ですが、最終的には、Aiなんでしょうね。
原田武夫さんが、Aiで医者がいらなくなると言っていましたが、まさしくいろいろな分野で人間はいらなくなってきそうです。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/150407/bsj1504071044004-n1.htm
 
Aiワトソン君に仕事をとられないように、人として何ができるか?考えていかなければなりませんね!
時代が激変しそうな予感を感じています。




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