乳がんの基

乳がんの転移・再発とは? 治療後に痛みを感じたら・・・

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乳がんの初期治療や手術については、これまでも何度か記事を書いてきましたので、今回は手術「後」の痛みについてお伝えしたいと思います。

手術後に何かしらの痛みを感じる患者さんは多いのですが、その痛みの原因とは。

手術後も不安が拭えない再発・転移。再発・転移時の治療の方法を知っていますか?

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もしも手術後に痛みを感じたら?

乳がんの手術のあと、体のさまざまな部分に痛みを感じることがあります。
痛みがあると、どうしても不安になりますし、「まさか再発? 転移では?」と心配になることでしょう。

手術後の痛みの種類と、その原因を知っていれば、不安な気持ちも小さくなるのではないでしょうか。

術後の痛みは、手術直後の痛みと、術後慢性的に継続する痛みの2種類に分けられます。

  • 手術直後の痛み
  • 慢性的な痛み

手術直後の痛み

乳がんの手術により体に傷ができますので、手術直後は傷による痛みが発生します。

  • 切除部分の傷口の痛み
  • ドレーン挿入による痛み
    (ドレーンとは皮下にたまる浸出液や血液を排液する目的で挿入されるチューブのことです。ドレーンを挿入しないケースもあります)
  • 術後の痛みや創部をかばう姿勢による肩関節の過緊張による痛み

手術後は痛み止めのお薬が処方されるので、処方どおりに内服しましょう。
緊張や不安により痛みを強く感じる場合もありますし、逆に痛みの原因がわかることで不安が軽減されて痛みの緩和につながる場合もあります。

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いつ、どのように痛むのかを医療スタッフに伝えることで、薬の内服のタイミングの調整やリラグゼーション指導により、効果的に痛みをコントロールすることが可能になります。

慢性的な痛み

手術により神経が傷つくことで、慢性的に胸部からわき、上腕にかけての痛み、違和感、しびれなどを感じることがあります。
このような症状は「乳房切除後疼痛症候群」と呼ばれます。

これらの症状は慢性的に継続しますが、数カ月以上かけて軽快していくことが多いです。

他には、切除したはずの乳房や乳頭が痛む感覚を感じる「幻乳痛」、リンパ浮腫により上肢が腫脹し生じる「術後リンパ浮腫による上肢痛」という痛みもあります。

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これらは、いずれも再発とは関係ない痛みですが、長期にわたって日常生活が妨げられるような場合は、担当の先生に相談しましょう。

患者さんは慢性的な痛みを感じていても、我慢や遠慮をしてしまい医療スタッフに痛みの存在を伝えられないケースが多いそうです。
家族や職場仲間なども、本人の症状に関心を向けて、痛みを訴えやすい環境をつくるサポートが必要でしょう。

乳がんの再発・転移について

無事に手術が終わり、手術に起因する痛みが落ち着いてきたとしても、「再発」や「転移」についての不安はどうしても拭えないと思います。
では「再発」や「転移」とは、どのような状態のことなのか、再発・転移時の治療はどのように進めていくのか、ご存知でしょうか。

再発とは?

乳がんが出来始めた初期の頃から、体のどこかに潜んでいたがん細胞が後になって出てくることを「再発」といいます。

乳がんの再発は、手術後2~3年以内に起こることが多いのですが、10年後や20年後に現れることもあり、再発の時期は病気の進行度や乳がんの性質によって大きく異なります。

乳がんが出来始めた頃からどこかに潜んでいたがん細胞を「微小転移」と言います。

乳がんの初期治療では、この微小転移が潜んでいる前提で、再発を防ぐような治療を実施するのですが、その治療をもすり抜け、何年か後にそれが画像検査で捉えられるくらいに大きくなって見つかるものと考えられています。

再発は、局所再発と遠隔転移に分けられます。

局所再発

乳がんの局所再発は、手術をした側の乳房や胸壁、その周囲の皮膚やリンパ節に起こるものをいいます。
局所再発のみで遠隔転移のない場合は、治癒を目指して治療します。

遠隔転移

初めにがんが出来た乳房から離れた別の場所にがんが出てくることを「遠隔転移」と言います。
たとえば、乳がんからの転移で肺にがんが見つかったら、「肺がん」とは呼ばず「肺転移」と言います。

乳がんの転移は、骨や肺、肝臓、脳などに起こることが多いです。

骨転移では、その部分に痛みを感じることがあります。
肺転移は、息切れや咳が続くことがあります。

肝臓は自覚症状が出にくい臓器ですが、右側のお腹が張ったり、みぞおちのあたりを押さえると痛むことがあります。
脳転移では、頭痛やめまい、手足の麻痺などが続くことがあります。

転移の症状は人によって異なっており、何らかの症状がある患者さんもあれば、自覚症状がまったくない患者さんもあります。

初発の乳がんや局所再発は早期発見・早期治療により治癒可能ですが、遠隔転移した場合は、血液やリンパの流れに乗ってがん細胞が体のあちこちに運ばれていますので、これらを根絶することは大変難しいのが実状です。

そのため、初期治療時にしっかりと再発予防目的の治療を受けることが重要となります。

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遠隔転移の治療は、治癒ではなく、病気を抑えながら長く付き合うという戦略になります。
からだ全体に効果があることが必要ですので、薬による治療が基本です。

乳がんに有効なさまざまな薬を使い、患者さんの状態や効果をみながら治療を続けることで、がんの進行や症状を和らげることを目的とします。

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