乳がんの基

胸に痛みを感じたら・・・乳腺症を疑う5つの症状と痛みの種類

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著名人の乳がん告白により、乳がんは女性にとって身近な疾患となりました。
セルフチェックをしていて、胸の痛みを感じた時、「もしかして乳がんでは?」と不安に思いますよね。

実は、乳がんと間違いやすい病気はいくつかあります。
しかし実際の診断は、専門の医療機関でしてもらわなければ難しいもの。
乳がんは痛みがあるのか、乳がんとよく似た病気はどのような症状があるのか、ご説明します。

乳腺症 痛み 症状

乳腺症

胸の痛みやしこり、腫れを感じて病院へ行くと、まずは検査をすることになります。
乳がん検診、画像検査、細胞診をした結果「乳がんではない良性の病気」とわかれば、とりあえずホッとするでしょう。

検査の結果乳がんではなかった場合、「乳腺症」と書かれていることがあります。
これは「乳腺症」という病名があるわけではなく「乳腺症と判断される症状が出ているということ」になります。

では、乳腺症とはどのような症状なのでしょうか?

  • 乳房の痛み
  • 乳房が張る
  • しこりがある
  • 乳頭から分泌液が出る
  • のう胞(水)がたまる

乳房の痛み

乳腺症の症状として多いのが、乳房の痛みです。
痛みを訴えて「乳がんではないか?」と病院を訪れる人が多いですが、乳房に痛みがある場合、乳がんではないことが多いです。
しかし、まれに乳腺炎と間違えやすい炎症性乳がんなどの病気がある場合もありますので、自己判断は危険です。

乳房が張る

胸のセルフチェックをしていると、胸が全体的に張って痛みを伴い、乳房全体がかたくゴツゴツしたり、張ってきたような感じがしたりします。
年代としては特に30代から40代の人に多く見られます。

しこりがある

乳腺症 しこり胸の痛みとともに、しこりの自覚症状を訴える人が多いです。
はっきりとしたしこりではなく、周辺との区切りがあまりないようなしこりがあります。

痛みを伴うしこりの場合もありますが、しこりの痛みも生理が終わると和らぎます。
また、胸全体にしこりがあるようなゴツゴツとした感触がする人もいます。

乳頭から分泌液が出る

乳房の張りとともに、乳頭から分泌液が出ることがあります。分泌液の色は透明や白濁のことが多いです。
ただし、血液が混ざったような乳頭分泌物が出た場合は、医療機関で詳しく調べる必要があります。

また、プロラクチンというホルモンが過剰に分泌されてしまうことで胸の張りや痛みを感じる人もいます。
これは、胃薬や向精神薬の副作用、甲状腺機能の低下などが原因なので、病院で検査をしてもらう時は、服薬状況をしっかり医師に伝えましょう。

のう胞(水)がたまる

乳腺内の乳管には、授乳中に限らず水が含まれており、のう胞は乳管に水が袋状に溜まった状態です。
のう胞は袋も含め、全体は正常な組織で作られているので悪性の病気ではなく、中身は水分です。

乳腺症は病名ではなく、上記のような症状全般を指します。
胸の痛みを感じて乳腺外科の診察を受け「乳腺症」と判断された場合は、乳がんではありません。

胸の痛みの種類や特徴について

乳がんではない場合、胸の痛みの種類や場所はそれぞれどんな特徴があるのでしょうか?
また乳腺症以外にも、胸の痛みが起こる時はどんな時でしょうか?

  • 痛みの種類
  • 痛みの場所

痛みの種類

乳房の痛みは、生理の周期に連動する傾向があります。
生理前には胸が痛い日が多く、生理が始まるとともにだんだん痛みも和らいできます。

しかし、毎回の生理のたびに痛みが出るわけではなく、2カ月ごと、3カ月ごとに痛みがある場合もあり、痛みの度合いも軽い月と重い月があります。

痛みの場所

痛みの場所は、一箇所というよりは乳房全体が鈍く痛むという感覚です。
乳腺全体が張った感覚がするため乳房全体にしこりがあるような感じるでしょう。
乳房を触った感じも、固く腫れているように感じる人もいます。

生理中、妊娠中、授乳中の胸の痛み

女性は、生理中・妊娠中・授乳中には女性ホルモンの変化が起こります。
そのため胸の痛みにつながることが多々あります。

  • 生理中
  • 妊娠中
  • 授乳中

生理中

乳腺症の痛みは、生理前は胸が張り、生理が終わると胸の張りも治る傾向がありますが、生理中もずっと胸が張った症状を訴える人もいます。
胸の張りや痛みは、排卵後に女性ホルモンのプロゲステロンが分泌されることが影響しています。

プロゲステロンは、排卵後に妊娠の準備をするため、乳腺も授乳の準備として動きが出てきます。
生理直前は、通常時の3割~4割増で胸の容積が増すと言われるほど、乳房は変化します。そのため、乳腺が張った部分が痛むようになるのです。

しかし、この女性ホルモンの動きによる胸の張りは異常があるわけではなく、体がきちんと排卵しているというサインでもあります。

妊娠中

妊娠中にも胸の張りや痛みを感じる人は多いようです。

妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するとともに、出産後の授乳に備えて乳腺がどんどん発達します。
妊娠後期になると乳腺の発達とともに、周囲の皮膚や筋肉が引っ張られて、胸の張りや痛みにつながるのです。

乳腺症 痛み 妊娠中

また、妊娠中の胸の痛みは、ストレスが原因の場合もあります。
ストレスがかかると、自律神経に影響してホルモンバランスが乱れ、胸の痛みを感じる可能性もあります。

妊娠中は胸周りを楽にするためにも、普段より体を締め付けないような下着や服装をするように心がけましょう。

授乳中

授乳中は、赤ちゃんが母乳を全て飲みきらなかった場合、乳管に母乳がたまり「乳腺炎」を引き起こす可能性があります。

授乳中 痛み 乳腺炎

乳腺炎は、胸がカチカチに硬くなり熱を持つこともあります。
そこから細菌感染すると、ひどい痛みや高熱が出て、おっぱいの中に膿が溜まってしまうことがあります。
体の症状としては、インフルエンザの時のような悪寒がして熱が上がっていきます。

乳腺炎になったら、すぐに出産した病院を受診し、服薬や助産師さんによるおっぱいマッサージなどの処置を受けましょう。

胸に痛みや異変を感じたら

乳房の痛みは、女性ホルモンのバランスが変動することによって、乳房分泌組織が変化することから起こるため、乳がんとは関係ないことが多いです。
しかし、自己判断することは難しいため、乳腺外来のある病院できちんと受診しましょう。

また明らかにしこりがある場合は、良性の腫瘍が出来る線維腺腫や、急激に大きいしこりが出来る葉状腫瘍など、ほかの病気が潜んでいる可能性もあります。
胸に痛みや異変を感じた時は、自己判断せずすぐに乳腺の専門医を受診しましょう。

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