乳がんの基

乳がんは症状に合わせた治療法を~病院・主治医選び5つのポイント

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乳がんと診断されたらとても不安な気持ちになると思います。
乳がんの治療は多種多様です。だからこそ、とことん話ができる先生と出会いたいですよね。
そこで、乳がんの治療に適した病院の選び方について解説します。

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乳がんの最善の治療「標準治療」

乳がんの治療には、乳房を切除する手術などの外科治療、ホルモン療法・抗がん剤などの薬物療法、放射線療法があります。

患者さんの病状に合わせて、これらの治療法を組み合わせながら治療を進めていきます。
患者さんの数ほど病状が異なるため、一人ひとりに合った最善の治療を決めることができます。

現在では、一人ひとりに合った効果的かつ安全性も確認された最善の治療を「標準治療」と言います。
標準治療では、医師をはじめとする専門家が世界中の研究の成果を集めて討議し、その時点で最善である治療を選択します。
最先端医療とは異なり、実験段階でなく安全性が確保されていることが標準治療のメリットと言えます。

標準治療を選択するためには、治療内容のメリットやデメリットをきちんと説明してくれる主治医の存在が不可欠となります。
そこで、信頼できる主治医の見分け方についてご説明しましょう。

信頼できる主治医に出会うために知っておきたい5つのポイント

  • 目を見て話してくれるか
  • 患者さんの話をよく聞いてくれるか
  • 困っていることを聞いてくれるか
  • わかりやすく説明をしてくれるか
  • 根拠ある治療の中から最善の方法を提案してくれるか

目を見て話してくれるか

病院に勤務している医師は、外来診療だけでも対応に忙しい中、入院患者さんや手術などの対応もしなくてはなりません。

医師にとって、対応しなければならない患者さんはたくさんいますが、患者さんにとってみれば、主治医は1人しかいないのです。

パソコンにあるカルテを見ながら話しているのではなく、きちんと手を止めて患者さんの目を見ながら話しているかどうかで、信頼できる主治医なのか判断ができます。

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患者さんの話をよく聞いてくれるか

目を見て話をしてくれる主治医であれば、おおよそ患者さんの話をよく聞いてくれます。
ただし、長く時間をかけて話を聞いてくれるからよいというわけではありません。

時間が短くても、要点を絞って話を聞いてくれていれば、安心です。

さらに、病気のことだけでなく、趣味や生きがいなど生活に関わる話を聞いてくれることで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を重視した治療を選択してくれるのです。

困っていることを聞いてくれるか

外来の診療時間はとても短いです。
本当はあれもこれも聞きたかったのに、緊張して忘れてしまうこともあります。

また、聞きたくても、忙しそうにしている主治医や看護師に話しかけることをためらってしまいます。

そこで、主治医が「何か困っていることはありませんか?」と聞いてくれることがあります。
病気と向き合っていく以上、困りごとはたくさん出てくるでしょう。

困りごとを一緒に解決してくれるのであれば、信頼できる主治医となるはずです。

わかりやすく説明をしてくれるか

医学用語や治療内容は、専門知識がなければとても難しいものですよね。
また、わかりやすく説明をしようとすると時間を要します。

一方で、わかりやすく説明をすることは、患者さんのことを思っていなければできないことです。
それだけ患者さんを思いやる主治医であれば、安心できるのではないでしょうか。

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根拠ある治療の中から最善の方法を提案してくれるか

一昔前までは、主治医と患者さんは従順の関係であったため、今でも主治医の独断で治療が進むことがまれにあります。

現在は、同等の関係で、患者さんが主体となって治療を進めていきます。
あくまで治療の決定権は患者さんにありますので、患者さんのことを思いやる主治医であればさまざまな治療方法の中から、最善の提案をしてくれるはずです。

さらに、治療の裏付けとなる根拠が明確にされており、主治医だけでなく多くの医療従事者の意見が反映された治療内容であれば、より納得できるものになります。

それでも納得いかないときは~セカンドオピニオンのすすめ

主治医も1人の人間ですので、相性がよくない場合や治療方針に納得がいかない場合もあります。
患者さんにとっては、自分の今後の人生がかかっていますので、後悔はしたくないですよね。

乳がんなど進行性の病気では、早期に治療を開始することが望まれます。
自分で探して受診し直すのも不可能ではありませんが、時間も費用も費やしてしまいます。

そこで、「セカンドオピニオン」という制度を活用することができます。

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「セカンドオピニオン」と聞くと、主治医を変えたり、転院したり、治療を変えなくてはいけないと思う方もいますが、そうではありません。

セカンドオピニオンとは「第2の意見」ですので、治療を進めていく上で、「他の医師の意見を参考にする」といったふうに考えれば、気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。

もちろん、セカンドオピニオンを受けると治療の選択の幅が広がりますし、病気や治療の知識を深めることもできます。

そして、セカンドオピニオンには手順があります。
正しい手順を確認することで、主治医と患者さん双方にとって嫌な気持ちにならず、治療を進めることができます。

セカンドオピニオンを受ける手順は、主に次のとおりです。

正しいセカンドオピニオンの手順

1. 主治医に紹介状を書いてもらう

紹介状は、正式には「診療情報提供書」と言います。
紹介状を書いてもらう前には、必ず主治医の治療方針について理解をしておきましょう。

治療について理解することと、納得のいく治療を選択することは異なります。
治療内容と方針を理解して、どのような点で納得がいかなかったのかを明確にしておくと、セカンドオピニオンの担当医からの説明もより早く、深く理解することができます。

また、主治医にはセカンドオピニオンを希望している旨を伝えることで、実施した検査内容や病状、また、どのような治療を提案しているのかを具体的に記載してくれます。

2. セカンドオピニオンをしてくれる病院を探す

セカンドオピニオンをしてくれる病院を探す場合は時間がかかることがあります。

主治医や看護師、地域連携室のソーシャルワーカーに一度相談をしてみてください。
その上で探すほうが時間もかからず、効率がよくなります。

3. セカンドオピニオン外来を受診する

ほとんどのセカンドオピニオン外来では予約が必要です。
限られた時間の中で、効率よく質問をする必要があるため、知りたいことに優先順位をつけて、3項目程度メモ書きにしておきましょう。

4. 元の主治医に相談をする

セカンドオピニオンを聞いた上での気持ちを、元の主治医へ伝えましょう。

この作業が最善な治療を選択する上で重要なポイントとなります。
そして、納得のいくよう主治医とよく話し合いましょう。

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5. ドクターショッピングに注意

「ドクターショッピング」とは、病気を受け入れたくないために、自分の思う治療方針を追い求め、さまざまな病院を受診することを意味します。

セカンドオピニオン、サードオピニオンと複数の医師の意見を参考にすることは間違ってはいませんが、大事なのは主治医と自分で最善の治療を選択できることです。

それには、多少の犠牲も伴うことを理解して決定することが求められます。

納得のいく乳がん治療のために

乳がんという病気を受け入れるだけでも大変な中、治療法を選択しなくてはならない重圧に心が折れそうになることもあるでしょう。

そんな時に、心から信頼できる主治医がいれば、心強い味方となります。

後悔しないためにも、5つのポイントを押さえ、必要に応じてセカンドオピニオンを活用し、納得のいく最善の治療を選択していきましょう。

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