最新治療法

乳がん治療でセカンドオピニオンを受けていいの?

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副作用がつらいときは?

乳がんに対する薬の治療は主にホルモン療法と抗がん剤治療があります(最近は分子標的治療というものも加わりました)。
これらの薬物療法は、初期治療においては再発率を低下させるため、遠隔転移治療の場合は、症状の緩和による生活の質の向上や延命効果を得るために行われます。

どのような薬をどのように使っていくかは、患者さん個人個人の状況や再発リスク、そして再発している場合はその状態などにより異なります。

抗がん剤

女性ホルモンであるエストロゲンの受容体(レセプター)ががん細胞の分裂を促すルモン感受性のあるがんの場合はホルモン療法が行われます。
がん細胞の増殖を抑制する、再発の予防になるなどの効果がありますが、更年期障害のような症状(ほてり、発汗、のぼせ、めまい、いらいら、鬱など)や肩こり、関節痛などの症状が出ることがあります。

初期治療において抗がん剤治療をするかどうかは、乳がんそのものの性質や性格によって決まってきます。
抗がん剤は、がん細胞に直接または間接的に作用して細胞の増殖を抑え、死滅させる薬です。
一般的に抗がん剤は細胞分裂が早い細胞をターゲットとして攻撃するため、がん細胞(ほとんどの場合は細胞分裂が早い)ばかりでなく正常細胞(骨髄、胃腸粘膜、毛髪など)にも影響を与えます。

抗がん剤の主な副作用

副作用が出るところ 主な副作用の内容
血液 骨髄障害(白血球減少、顆粒球減少、リンパ球減少、血小板減少、赤血球減少)、血漿フィブリノーゲン減少
消化器 吐き気、嘔吐、食欲不振、胃もたれ、下痢、便秘、口内炎、食道炎
慢性肺炎、肺線維症
皮膚 角化、肥厚、色素沈着、脱毛、発疹、爪の変化
神経系 知覚異常、深部反射の消失、神経麻痺、聴力障害、発語障害、見当識障害、精神症状、小脳性運動失調、傾眠、昏睡、眩惑、尿意頻数、便意頻数

 副作用がつらいときは副作用を和らげる薬を処方してもらうなどの方法があります。
遠慮せず医師や看護師に相談しましょう。

抗がん剤の副作用と、それぞれの対処法例

吐き気、嘔吐

吐き気

吐き気は、抗がん剤が血流を通して脳を刺激して、それが脊髄中の嘔吐中枢を刺激しておこります。

<対処法>
抗がん剤点滴の前に制吐剤を点滴します。
この場合、吐き気を起こす受容体をブロックするセロトニン受容体拮抗剤(カイトリル、ゾフラン、ナゼアなど)とステロイド剤(デカドロン)が用いられます。

食欲不振

食欲不振は一時的なもので、やがて落ち着いてきます。

<対処法>
食べたいものや、食べやすいものなど、調理法や食材を考えることで乗り切りましょう。

脱毛

医学的な処方はありませんので、かつらやスカーフ、バンダナなどを使用します。
抗がん剤治療が終了すれば、ほとんどの場合再び毛が生えてきます。

アレルギー

じんましんアレルギーは体内に入った薬を体が異物として取り除こうとするために起こる、じんましんや息切れなどの症状です。

<対処法>
一般的に抗ヒスタミン剤(アレルギー剤)が処方されますので、それを服用します。
皮膚表面には、かゆみ止めのローションやクリームを塗って症状を和らげます。

口内炎

抗がん剤により口の中の粘膜が傷つけられて口の中が炎症を起こすことで、口内炎ができる場合があります。

<対処法>
抗がん剤を使用すると白血球が減少するため、口内炎から感染症を起こす可能性があることから、うがいをして口腔内の清潔を保つ、抗がん剤治療の前に歯の治療を完了しておく必要があるでしょう。
口内炎を予防するうがい薬、症状を和らげるうがい薬、口内炎用の軟膏などの薬が処方されます。

手足のしびれ

手足の末梢神経が影響を受け、しびれや麻痺のような感覚が起こる、動きにくくなるなどの症状が現れることがあります

<対処法>
末梢神経障害による不快感を和らげる薬の処方によって緩和する場合があります。長期間にわたってしびれ感が残ることもあります。

病診連携とは?

病診連携とは、病院と診療所、クリニックなどが、それぞれの役割や機能を分担し、連携して効果的、効率的な医療を患者さんに提供するシステムをいいます。

乳がんになっても治療後元気に活動している乳がんサバイバーの人口が増え、今後もますます増加すると期待されています。
大学病院では、その病院で手術や治療を受けたすべての乳がんサバイバーのその後の経緯を定期的にフォローするのが難しくなってきています。

そこで誕生したのが病診連携です。病院連携
対象は手術から5年を超えた患者さん、ホルモン薬の処方だけの患者さん、検査を受けるだけの患者さんなど。
大学病院へ行かなくても地元の病院で治療を受けることができるというもので、地元の病院で定期的にフォローを受けながら必要なときには大学病院との連携が可能です。

それぞれの連携が取れているので最初から状況を説明する必要がなく、いざというときにスムーズな治療を受けることができます。
主治医が2人いるようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。

大学病院の混雑緩和と同時に、患者さんのメリットも大きいことから、病診連携の拡大が期待されています。

乳がんにもセカンドオピニオンを活用しよう

セカンドオピニオンとは『第二の意見』という意味で、ある医師から下された診断や治療方針について別の医師に意見を聞くことで、病院を変わるということではありません。
※セカンドオピニオンを受けたのち、結果的に別の医師が提供する治療を受けるために医師を変えるケースはあります。

欧米では当たり前に行われており、セカンドオピオンは患者さんの当然の権利でもあります。
乳がんに関わらず、他の疾患で病院にかかったとき、考えた経験はありませんか?

「この診断で果たして正しいのだろうか?」
「絶対にこの治療法しか残っていないのだろうか?」
「もっと自分の希望や考えを伝えたうえで、納得して治療を受けたい」

セカンドオピニオンが日本でまだ十分に広がっていないのは
「他の先生に意見を求めるのは、主治医を信頼していないようで申し訳ない」
という遠慮の気持ちが一つの要因として考えられます。

主治医との関係が悪くなることを心配するあまり、セカンドオピニオンを言いだせないまま治療をスタートさせたのでは、それぞれの信頼関係がしっかりと確立されないことはもちろん、患者さん自身も不安や疑問を抱えた状態では、積極的に治療を受けるのが難しくなってしまいます。
何かあるたびに「これで本当に良かったのだろうか?」という疑問が頭をもたげては、メンタルにも良い影響を与えません。

インフォームド・コンセントとは?

セカンドオピニオンは患者さんが安心して納得がいく治療を受けるうえでとても大切なことです。
しかし医師によっては「自分のことを信頼できないのか?」と眉間にしわを寄せる、転院や転医を促すなど、残念な反応をする人がいるのも現状です。
一概にはいえませんが、セカンドオピニオンに対してネガティブな反応を示す医師は、インフォームド・コンセント(informed consent=説明と同意)についても消極的な場合があります。インフォームドコンセント

インフォームド・コンセントは医師が検査、治療の内容、処方される薬などについて十分な説明をし、患者さんは内容をよく理解、納得したうえで治療を受けるというもの。

「患者さんは医師の指示に従っていればよい」「細かい説明に時間を費やしては、他の患者さんの治療に影響するので質問は手短にして欲しい」と考える医師と力を合わせて前向きな治療が続けられるでしょうか。

ただでさえ乳がん治療は心身に負担がかかるものです。
セカンドオピニオンやインフォームド・コンセントの意義、患者さんの気持ちを尊重できる医師選びもまた、治療の一環といっても大袈裟ではないでしょう。

元気に生き続けるための重要ポイント

乳がんサバイバーになるために大切なことは納得できる治療をしっかりと受けることです。
乳がんの経験があっても、発症前と同じように普通に生活している人、手術後に結婚、出産している乳がんサバイバーもたくさんいます。

また、ここ数年インターネットの普及によって乳がんに関する情報がたくさん入ってきます。
乳がん体験者がブログを開設したり、乳がんに関するニュースや治療法などが記されたサイトなど、検索ワードに“乳がん”と入力すると驚くほどの数がヒットします。

インターネットが普及する前は書店や図書館で情報を得るだけでしたが、自宅などで何でも調べられるのは便利かもしれません。

「乳がんのクーポンが届いたけれど、定期検診はどこへ行けばいいの?」
「自宅の近くにある乳腺科を調べたい」
「乳がん体験者のブログがとても励みになる」

メリットもたくさんありますが、治療方針を決定する段階で情報を集め過ぎるのは、取り越し苦労をしたり、認識を誤ってしまうことがあります。

たとえば、ホルモン治療が有用なタイプの乳がんではないのにホルモンのことばかり調べて、医師に本人の治療とかかわりのない質問ばかりする。
再発していないのに再発の不安でいっぱいになるなど、いろいろな意味で“横道にそれてしまう”のは治療の妨げになりかねません。

インターネット検索

また、インターネットで得られる情報は必ずしも正しいものばかりではないことも事実で、玉石混合であることを知っておかなくてはなりません。

そして乳がんの治療はひとりひとり、シコリの性質やその他の状況によってオーダーメイドですし、治療自体も日進月歩ですので、闘病記なども参考になる部分もあるかもしれませんが、必ずしも当てはまらない部分も多くあることは知っておく必要があります。

情報に一喜一憂するのではなく、不安や疑問があれば医師や看護師に相談しましょう。

民間療法に頼りすぎてはいけない

民間療法は古くから民間で見出され伝承されてきた方法によって行うもので、通常医療に含まれない療法をいいます。
その多くはサプリメント系ですが、なかには“これは食べてもいいけれど、あれはダメ”とか、とにかく玄米を推奨するもの、一品を大量に摂取する方法などの食事に関わるものから、お灸でがんが治る、同じCDを繰り返し聴くなど、数え上げたらきりがありません。

それらを実践することで前向きな気持ちになれる、というのは悪いことではありませんが、気をつけなければならないのが民間療法だけで治ると思い込んで病院での治療を止めてしまうことです。

入院

抗がん剤やホルモン治療などはつらいものがありますが、これを克服して乳がんサバイバーとして元気に生活している方、日々、前向きに治療に専念している方がたくさんいます。
民間治療を否定はしませんが、頼りすぎは禁物です。

セカンドオピニオンについても、民間療法についても、不安な点があれば、ぜひ医師にご相談ください。

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