乳がんの基

乳がんの治療法とは? 乳がんと診断されても不安にならないで!

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乳がんと診断されたら・・・

「乳がんが見つかったら、すぐに手術しなければならないの?」
「入院するならどのくらいの日数がかかる?」
「抗がん剤治療や薬物療法ってどんな治療を受けるのだろう」

誰もが不安に思い、一体どうすればいいのか戸惑うに違いありません。

乳がん 不安
乳がん治療は症状やステージによって異なります。

ステージ(進行度)やがんの性格によってどのような治療を行うのか、患者さんによって異なりますが、大切なのは症状に適した治療を患者さんが納得したうえで医師と共に進めていくことです。

乳がんと診断されたら、次のことをチェックするようにしてください。

  • がん(シコリ)は乳房のどの部分にできているのか?
  • どのくらいの大きさか?
  • リンパ節や他の臓器への転移の可能性はあるか?
  • 主治医はどんな治療方法を考えているのか
  • 上記の治療法を選択すると、どのくらいの期間、どのような治療を受けるのか?
  • 日常生活に影響することについて(授乳、仕事など)
  • 治療にかかる費用について

「急いで手術しなければ、がんが大きくなってしまう」と、すぐにでも治療を開始したくなりますが、まずは冷静にこれからのことを考えましょう。
急を要する症状でなければ医師が提案する治療内容についてじっくりとシミュレーションしてみてください。

  • 入院している間、家事や育児、仕事はどうなるのか?
  • 家族や職場の人にサポートしてもらいたいことがあるとしたら、どのようなことか?
  • 手術後に放射線治療が必要な場合、どのような準備をしたほうがいいか?
    (副作用で髪が抜けるため、ウィッグを用意するなど)

具体的に図や文字でノートに記し、不明な点や不安があれば医師に確認する、家族や職場の人に相談するなど、前もって準備しておくと安心して治療を開始することができます。
場合によってはセカンドオピニオンを受けたいと考えることもあるでしょう。
その際は遠慮なく、その旨を主治医に伝えてください。

乳がんと「がん保険」

生命保険に加入している場合、がんと診断された際に「がん診断給付金」を受け取ることができるものがあります。
※事前に契約しておく必要があります。
給付金の活用法はさまざまですが、大きなメリットが使途について制限がないこと、一度にまとまったお金が受け取れること、にあるといっていいでしょう。

医師に保険会社所定の診断書を出してもらう必要があるので、早めに申請してください。
請求書類が保険会社に届くと不備の有無、疾病が給付金の支払事由に該当しているかなどがチェックされ、問題がなければ1週間くらいで指定口座に給付金が振り込まれます。

乳がん 保険

入院給付金、手術給付金は退院した後に保険会社に請求してから受け取れるのが一般的です。

生命保険に加入する際は面倒でも内容を確認して、わからないことがあれば会社や担当者に質問して、疑問をクリアにしておきましょう。
いざというとき慌てないためにも、現在保険に加入しているなら、今一度内容を確認してください。

健康状態に問題がなくても、万が一のことを考えて現在の契約内容で充分にカバーできるかどうか、シミュレーションしてみましょう。
不足がある場合は契約内容の変更、見直しをしてください。

乳がん治療が始まったら

乳がんは手術、放射線療法、薬物療法を組み合わせて行います。

乳がんは、ホルモン受容体、HER2、がん細胞の増殖活性(Ki67値)という3つの要素と6つのサブタイプに分類されます。
それぞれがん細胞の性質が異なるため、適した薬物療法(化学療法(抗がん剤治療)、ホルモン療法、抗HER2療法)を選択する必要があります。
※シコリの大きさが0.5cm以下、リンパ節に転移がみられないときは薬物療法を行わない場合があります。

化学療法(抗がん剤治療)

抗がん剤治療で使用する薬剤は術前でも術後でも基本的には同じであり、一般的な治療期間は3~6カ月です。

がん治療=入院というイメージがありますが、乳癌の薬物療法は基本的に入院は不要です。外来で薬物療法を受けながら、これまでのように家事や育児、仕事をすることが十分に可能です。
治療に専念するために仕事を辞める、または休職を考える人がいらっしゃいますが、外来での治療が可能ならば続けたほうがよいでしょう。

経済的なことはもちろん、仕事をしている方が、気が紛れるというメリットもあります。
今後の仕事のスケジュールについて職場の人に相談する際に、治療計画表のようなものを提出しておけば、職場もフォローしやすいでしょう。

乳房温存術

手術はステージや症状によりますが、「乳房温存術」と「乳房切除術」に分けられます。

「乳房温存術」は、がんのシコリと一緒に乳房の一部を切除して、乳房を残す手術です。
手術後、再発を防ぐために残った乳房に放射線療法を行います。
乳房温存術ができるのは、がんが3~4㎝までの大きさで、がんの部位がある程度の決まった範囲にある場合です。

乳がん 手術

乳房切除術

がんが大きい、広がりがある、多発している場合、放射線治療ができない場合などは、乳輪、乳頭を含む乳房全体を切除します。

入院期間は温存術の場合は数日~1週間以内、全摘術の場合で1~2週間が一般的ですが、温存術を日帰りで行う病院も増えてきているようです。

乳房再建

乳房再建の方法は、自家組織を用いた皮弁(ひべん)法と、人工乳房を用いたインプラント法があります。

手術時間は大体7~12時間くらい、入院期間は約10日~14日前後です。

一方インプラント法は、手術時間は約30分から1時間程度。
入院期間は一般的に2泊3日くらいです。

二次再建(2回に分けて行う)の場合は、胸の筋肉の下に組織拡張器(エキスパンダー)を入れる手術を行い、約6カ月かけて生理食塩水を3~4週間に1回の割合で組織拡張器へ注入して、胸の皮膚を膨らませていきます(外来で行えます)。
十分に皮膚や筋肉が伸びたところに人工乳房を入れて乳房を形成します。

放射線療法

温存した乳房や周囲のリンパ節からの再発を防ぐために行われるのが放射線療法です。
乳房温存手術後の放射線治療によって乳房内の再発が約3分の1に減少することが証明されています。

乳房温存手術後、傷がふさがり腕の上げ下げが比較的スムーズにできるようになったら、放射線治療を開始します。

乳がん 放射線治療

全摘手術であってもリンパ節への転移が多い場合などには、放射線治療が行われることがあります。
胸壁への再発、領域のリンパ節転移、遠隔転移を抑えるために胸壁、鎖骨上窩などに照射します。

放射線療法は通院で受けられますが、平日毎日通う必要があること、照射自体は短時間で終わりますが、仕事をしている場合は治療時間に加えて受付や会計の時間、職場と病院の往復時間も含めてスケジュールを立てるようにしましょう。

ホルモン療法

女性ホルモンのエストロゲンの刺激によって、増殖する乳がんを「ホルモン受容体陽性乳がん」「ホルモン感受性乳がん」「ホルモン依存性乳がん」と呼び、乳がんの約7割以上がこのタイプで、ホルモン療法の対象になります。

薬でエストロゲンの作用を阻害、あるいはエストロゲンの産生を抑制してがん細胞の増殖を抑制させるもので、主に閉経前はLH-RHアゴニスト製剤と抗エストロゲン薬、閉経後はアロマターゼ阻害薬が用いられます。

術後、再発予防のために5~10年続けることが一般的です。

QOLを上げるためには・・・

どうすれば最適な治療ができるか、よりQOL (Quality of life=クオリティ オブ ライフ。「生活の質」「生命の質」という意味があり、ただ治療を行うのではなく、患者さんの精神的、社会的活動を含めた満足度をいう)を上げるにはどうしたらよいか。
医療機関によっては心のケアをしてくれる精神科医や心療内科医、心理士、ソーシャルワーカーが在籍しているところやネットワークがあります。
事情があって一人で治療に臨む場合であっても、決して孤独な闘いではないことを
覚えておいてください。

乳がん QOL

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