術後のケア

乳がんの手術後に起きる症状とは? どうアフターケアするべき?

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手術を初めて受ける人にとっても、そうでない人にとっても「手術後はどんなつらいことが待っているんだろう?」と不安になりますよね。
そこで、乳がんに特徴的な術後の症状に加え合併症の対処法についてお伝えします。

乳がん手術のアフターケア

乳がんの手術後は大変なの?

乳がんを完全に取りきるためには、まず手術が検討されます。

乳がんの手術の方法はいくつかあります。
女性にとっても男性にとっても、今ある乳房もしくは胸を切除するのを決断するにはとても勇気のいることでしょう。
しかし、場合によっては切除する範囲を最小限にすることもできます。

そこで、まずは乳がん手術の方法についてご説明します。

乳がんの手術とは?

  • 乳房部分切除術
  • 乳房切除術
  • 乳房再建術
  • リンパ節郭清

乳房部分切除術

がんのしこりなどから約1~2cm離れたところで、乳房を部分的に切除します。
この乳房部分切除術は、がんを確実に切除し、患者さんが見た目で満足できる乳房を残せるよう選択されることが多いです。

しかし、しこりが大きい場合などは、化学療法、いわゆる抗がん剤を使い小さくした後、手術を行うこともあります。
通常は、手術後、がんの再発を防ぐために放射線治療を行いアフターフォローしていきます。

乳がん手術の種類

乳房切除術

がんのしこりなどが、大きく、またあちらこちらに点在している場合は、全ての乳房を切除する方法がとられます。

乳房再建術

乳房を切除した後に、患者さん自身のお腹や背中などの組織、もしくはシリコンなどの人工組織を利用し、乳房を再び作り上げる方法を言います。

リンパ節郭清

乳房は胸にあり、その周囲、脇の下や胸骨の内側などにリンパ節が存在しています。
そして、そのリンパ節にがんが転移してしまうことがよくあります。

しかし、リンパ節に転移しているかどうかは検査だけで分かるわけではありません。リンパ節を切除し、転移の有無を調べることが必要となる場合もあります。

この方法を「リンパ節郭清」と言います。
ただし、そのリンパ節を切除してしまうため、老廃物などが滞り、むくみや、しびれなどの合併症が現れることがあります。

乳がんの術後の症状および合併症は?

  • 脇の下にリンパ液がたまる
  • 腕や肩が動かしにくい
  • 手術部位周辺の皮膚の感覚が鈍くなる
  • 腕のむくみ(リンパ浮腫)

脇の下にリンパ液がたまる

手術後、脇の下や、手術をした部位にリンパ液がたまってしまうことがあります。
これは、長く続くものではなく徐々に改善していきますが、液が多くたまっていたり、1カ月ほど長引く場合には、液を抜くような治療を行っていきます。

腕や肩が動かしにくい

脇の下などのリンパ節郭清を行った場合は、手術をした側の腕や肩が動かしにくくなる場合があります。
また手術によって、体を安静にすることで、筋肉や関節の動きが鈍くなり動かしにくくなります。
そのため、早期のリハビリテーションが望ましいとされています。

乳がん手術後の症状

手術部位周辺の皮膚の感覚が鈍くなる

脇のリンパ節周囲には、いくつもの神経があります。
主となる神経を残すような手術方法も選択されていますが、いずれにしても脇の下の皮膚の感覚が鈍る可能性があります。

腕のむくみ(リンパ浮腫)

腕のむくみは、脇のリンパ節郭清をし、リンパ液の流れや戻りが悪くなることで起こります。
これを「リンパ浮腫」といいます。リンパ液の流れを良くするようなマッサージや運動でむくみを改善していきます。

乳がん術後のアフターケア

入院中は、医師や看護師など分からないことをすぐに聞くことができ、早期解決ができます。

しかし、大変なのは退院をしてからの生活です。
入院生活よりももっと長く、さらに何か聞きたくてもすぐに聞くことができません。

そのため、退院後はどのような点に気をつけて生活をしたらよいか、医師と一緒に考えていきましょう。

日常生活・仕事について

仕事をしている人はもちろんですが、家事などをしなくてはならず、どんなことに気をつけながら生活をしていったらよいか、不安ですよね。
いつになったら、手術前と同じくらいもしくは、それに近い状態で動いていいのか心配になると思います。

まず、基本姿勢は無理をしないこと。
仕事においては、主治医と職場の方とよく相談をしながら徐々に体を慣らしていくことが大切です。

乳がん手術後のアフターケア・日常生活

しかし、手術をした側の腕が重だるかったりすることが多く、布団を運んだり、重い洗濯物や買い物袋を持ったりするときは注意が必要です。

手伝ってもらえるのであればそれが安心ですが、そういかないこともあると思います。
その場合は、なるべく手術をした側の反対の手を使うようにするなどの工夫が必要でしょう。

生活習慣を見直す

これは、乳がんに限ったことではないですが、喫煙習慣があったり、食生活が乱れていたりすると、体の調子が悪くなり、がんも含め生活習慣病などの病気に発展する恐れがあります。
乳がんの手術をきっかけに生活自体を見直し、改善することができたらよいですね。

合併症の予防と生活改善を

乳がん手術後は合併症の予防と生活改善

乳がんの手術は基本の治療となるため、その正しい知識を身につけましょう。
今後起こりうる合併症の予防に加え、生活に工夫をすることで改善を図ることができます。

手術を乗り越えることのできた方々なのですから、合併症もきっと乗り越えることができると思います。
少しでもよりよい人生となるよう正しい知識を深めていきましょう。

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