脳腫瘍、脳転移
病気について
脳腫瘍は原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍の2つに分けられます。
原発性脳腫瘍は、脳の細胞や脳を包む膜、脳神経などから発生した腫瘍です。良性と悪性に分けられ増殖速度が遅く、正常組織との境界が明瞭な腫瘍は比較的良性で、主に脳実質外の組織に生じます。
一方、増殖速度が早く、周辺の組織にしみ込んでいく(浸潤)ように広がり、正常組織との境界がはっきりしない腫瘍は悪性で、主に脳実質に生じます。
転移性脳腫瘍は、他の臓器で生じたがん(肺がんや乳がん、大腸がんなど)が血液の流れによって脳に転移したものです。
症例
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症例1転移性脳腫瘍(肺がん)
左後頭葉に生じた転移性脳腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。放射線治療から3か月後に撮像されたMR画像で腫瘍の消失が確認できる。
照射回数 1回 治療時間 28分 処方線量 23Gy 治療前 ▶︎ 治療後
※転移性脳腫瘍に対する治療には手術や放射線治療があるが、病期や患者状態によって選択をする。本症例は放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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症例2転移性脳腫瘍(肺がん)
右小脳に生じた2か所の転移性脳腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。放射線治療から2か月後に撮像されたMR画像で腫瘍の消失が確認できる。サイバーナイフは多方向から放射線を照射することができ、本症例のように近接した病変に対しては、同時に照射を行うことができる。
照射回数 1回 治療時間 32分 処方線量 23Gy 治療前
治療後
※転移性脳腫瘍に対する治療には手術や放射線治療があるが、病期や患者状態によって選択をする。本症例は放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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症例3転移性脳腫瘍(腎臓がん)
右小脳脚に生じた転移性脳腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。
放射線治療から9か月後に撮像されたMR画像で腫瘍の消失が確認できる。照射回数 5回 治療時間 29分 処方線量 30Gy 治療前
治療後3ヶ月
治療後9ヶ月
※転移性脳腫瘍に対する治療には手術や放射線治療があるが、病期や患者状態によって選択をする。本症例は放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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症例4転移性脳腫瘍(肺がん)
右小脳脚に生じた転移性脳腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。
放射線治療から9か月後に撮像されたMR画像で腫瘍の消失が確認できる。照射回数 3回 治療時間 25分 処方線量 30Gy 治療前
治療後3ヶ月
治療後9ヶ月
※転移性脳腫瘍に対する治療には手術や放射線治療があるが、病期や患者状態によって選択をする。本症例は放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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症例5聴神経腫瘍
小脳橋角部に生じた左聴神経腫瘍(良性腫瘍)に対してサイバーナイフ治療を実施。放射線治療から15か月後に撮像されたMR画像で腫瘍の内部壊死と軽度縮小が確認できる。良性腫瘍における放射線治療効果の発現は緩徐であり、腫瘍増大を止めることが治療目的である。
照射回数 3回 治療時間 29分 処方線量 21Gy 治療前
治療後3ヶ月
治療後9ヶ月
治療後15ヶ月
※聴神経腫瘍に対する治療には手術や放射線治療があるが、腫瘍の大きさや患者状態によって選択をする。本症例は放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。