骨転移
病気について
身体の一部にできたがんが血液の流れにのって骨に広がることで発生します。骨は、肝臓や脳などのようにがんが転移しやすい部位の一つです。近年、新しい薬の開発などにより、以前よりがんの治療効果が上がっていることや、画像診断技術が発達し、よりがんを見つけやすくなったことから、がん患者さんが以前より長く生きられるようになってきています。最も心配なことは、骨転移は強い痛みや骨折、麻痺をもたらすことがあるため、日常行動が制限されたり、元々のがん治療が困難になってしまうことです。骨に転移が生じた場合も、早期に治療を行えばそれまでとかわらない生活を送ることも可能です。大切なことは、できるだけ早期に発見して、早期に治療を行い、生活の室(QOL)を保ちながら、いかに自分らしい生活を送るかです。
当院では転移性骨腫瘍の病状を考慮し、トモセラピーとサイバーナイフを使い分けて治療を行っています。
症例
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症例1転移性骨腫瘍(膵臓がん)
第12胸椎と第5腰椎の2か所に生じた転移性骨腫瘍に対してトモセラピー治療を実施。
照射回数 1回 治療時間 5分 処方線量 8Gy 治療前
治療計画
※転移性骨腫瘍に対する治療には手術や放射線治療、薬物療法があり、病期や患者状態によって選択をする。本症例は、放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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症例2転移性骨腫瘍(肺がん)
第4腰椎に生じた転移性骨腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。
放射線治療から6か月後に撮像されたCT画像では、腫瘍によって破壊されていた骨構造の骨硬化が確認できる。照射回数 5回 治療時間 28分 処方線量 25Gy 治療計画
治療前
治療後6か月
※転移性骨腫瘍に対する治療には手術や放射線治療、薬物療法があり、病期や患者状態によって選択をする。本症例は、放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
症例3転移性骨腫瘍(直腸がん)
右恥骨と左座骨の2か所に生じた転移性骨腫瘍に対してサイバーナイフ治療を実施。
放射線治療から7か月後に撮像されたPET-CT画像では、治療前に認められたFDGの集積が消失しているのが確認できる。
※FDG(フルオロデオキシグルコース)はPET検査で使用される薬剤であり、腫瘍に集積する性質を持つ。照射回数 1回 治療時間 38分 処方線量 8Gy 治療計画
治療前 ▶︎ 治療後7か月
治療前 ▶︎ 治療後7か月
※転移性骨腫瘍に対する治療には手術や放射線治療、薬物療法があり、病期や患者状態によって選択をする。本症例は、放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
症例4転移性骨腫瘍(肺がん)
肺に生じた転移性骨腫瘍に対してトモセラピー治療を実施。
放射線治療から4か月後に撮像されたCT画像では、椎体骨の骨硬化と腸腰筋内の軟部腫瘍の消失が確認できる。
照射回数 4回 治療時間 7分 処方線量 20Gy 治療計画
治療前 ▶︎ 治療後4か月
※転移性骨腫瘍に対する治療には手術や放射線治療、薬物療法があり、病期や患者状態によって選択をする。本症例は、放射線治療に行った際の治療効果と予想される副作用を十分に説明した結果、放射線治療を希望された。
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